来週から最優先グループを対象に接種作業開始
連邦政府のグレッグ・ハント保健相が、ファイザー/バイオンテック・ワクチンの第一陣がオーストラリアの空港に到着したと発表した。連邦政府は、現在、世界的なワクチン争奪戦が始まっていることを理由にワクチンの入荷時期や到着空港、保管設備の場所について詳細を明らかにしていない。
ABC放送(電子版)が伝えた。
2月15日午後に到着したのはファイザー/バイオンテック・ワクチン142,000用量分で、2月22日より、コロナウイルス対応前線医療従事者や隔離施設担当者、高齢者施設職員と入居者などを対象に接種が始まる。
今月末までには6万用量の接種が完了する予定で、このワクチンは零下60度から90度の間で保管しなければならないため、ハント大臣は、「入荷したワクチンは厳重な警備と品質管理下に置かれる。特に空輸中の温度管理が万全だったか、ワクチンの品質が適正に保たれたかどうかなどの検査が行われる」と語っている。
連邦政府は来週には5万用量を州、準州の医療従事者と隔離担当者に割り当て、3万用量を高齢者、障害者とその介護者に割り当てることになっている。
さらにハント大臣は、「入荷したワクチンは各州、準州に人口比率に応じて割り当てる。また、さらに詳しい情報は来週に発表する」と語っている。
先週にはスコット・モリソン連邦首相が、オーストラリアはファイザー/バイオンテック・ワクチンをさらに1,000万用量契約しており、合計2,000万用量に達したと発表している。ワクチンは2週間の間隔をおいて2回接種しなければならないため、2,000万用量は1,000万人分ということになる。
ハント大臣は、「2月末までには6万用量の接種を済ませる予定になっている。これはスケジュールより早めになっているが、現実に接種作業を始めるのに時間がかかることも計算に入れなければならない。途中で何か支障が起きるかも知れない」と語っている。
さらに、「オクスフォード大学/アストラゼネカ・ワクチンが医薬品管理局(TGA)の認可を受ければワクチン生産はかなり速まり、3月末からは1週間に100万用量が用意されるようになるが、3月末までには200万用量が到着することになる」と語っている。
連邦政府はアストラゼネカ・ワクチン5,400万用量弱の購入契約を済ませており、メルボルンのCSLで製造されることになると発表している。
■ソース
Pfizer coronavirus vaccine doses arrives in Australia, ahead of first jabs next week