モリソン首相、メディアの質問にキレて反撃

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メディア側「首相の指摘する事実はない」

 3月23日、スコット・モリソン連邦首相は、オーストラリア国内の女性待遇問題を改善すると涙を抑えて演説したが、演説後のメディアの質問に対して感情的に反撃し、「メディア内の女性の訴えをメディア攻撃に使った」と野党やメディアから批判を受けた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 連邦議事堂内での強姦の訴えだけでなく、性的嫌がらせや女性蔑視などから議員の男女比率で男性議員が圧倒的に多いなど問題は山積している。

 議事党内での記者会見でモリソン首相は、涙を抑えて「議事堂内での女性の待遇を改善する」と約束したが、元大臣職員のブリッタニー・ヒギンズ氏の強姦被害訴えに対する当初の首相自身の対応や、モリソン首相が、「被害女性が自分の娘だったらどう思うか考えてみるように妻に言われた」ことを繰り返していることでも、「自分の娘と仮定しないと分からないのか」との批判が首相に投げつけられていた。

 首相は、「娘や妻は私の人生の中心だ」と自己弁護し、「与党保守連合議員職員が雇い主の女性議員の執務机の上で自慰行為をビデオで撮影したと聞いて不愉快な気持ちになった」と語っており、ニューズ・コープ系スカイ・ニューズのアンドルー・クレネル記者から、「今回の事件はモリソン首相が大臣職員の統制もできなくなっているのではないか?」との質問を受けた。この質問に首相が激怒し、「現在、クレネル記者も自分の会社の中でどういうことが起きているかご存じと思う。御社の女性トイレで女性が嫌がらせを受けたという訴えが出されており、御社の人事部が調査しているではないか。私達はみんなガラス張りの温室の中にいるようなものだ。他人のことを言わない方がいい」と発言した。

 スカイ・ニューズ社が同日中にニューズ・コープのマイケル・ミラー会長名で声明を発表し、「連邦首相の発言は間違っている。そのような訴えを受けていないし、社員の行為を調査しているという事実はない。連邦議事堂内で性的不品行が起きているという報道があったことから、ニューズ・コープ社内でも人事チームが、社内でそういう被害を受けたことがあるなら、秘密を守るから安心して訴えてきてもらいたいと社員に向けて積極的に呼びかけたことがあるだけだ」と正している。

 また、「議事堂内でニューズ・コープ社員2人が口論した事実はあるが、職場問題であり、性的な内容の口論ではない。トイレで起きたことでもなければ、当人が苦情を訴えたわけでもない。首相の主張はまったくの偽りであり、首相が公にそのような発言をしたことは、そのような訴えは関係者にとって安全かつ守秘的に扱わなければならないという鉄則を危うくするものだ」と首相発言を厳しく批判している。
■ソース
Scott Morrison embroiled in row with News Corp after being accused of ‘weaponising’ complaint claim minutes after fighting back tears

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