国防相にダットン内相、法務長官にキャッシュ雇用相
政界では嫌疑や対応のまずさだけで失脚することもある。1988年に弁論大会で顔を合わせた女性から「強姦」の訴えを出され、さらにその女性が自殺するという事件の渦中の人、クリスチャン・ポーター法務長官は、記者会見で「無実」を主張して疾病休暇を取っており、さらに、強姦事件の主張を報道したABC放送を相手取って名誉毀損訴訟に持ち込んでいる。
また、元女性職員が大臣執務室で同僚職員に強姦されたと訴えている事件のリンダ・レイノルズ国防相も基礎疾患の悪化で疾病休暇を取っている。法務長官は3月31日、国防相は4月2日までの休暇だが、大臣復帰は見こみなしと報道されている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
3月24日、連邦下院でアンソニー・アルバネージ労働党党首から質問を受けたスコット・モリソン連邦首相は、ポーター法務長官を擁護せず、また、ポーター氏の将来に関する質問も返答を避ける戦術に出ており、モリソン政権の危機を回避するためにポーター氏を法務長官から移すのではないかとの憶測が出ていた。
3月24日、ABC放送(電子版)は「閣僚入れ替えは3月26日に発表予定。ピーター・ダットン内相が国防相に、ミカエリア・キャッシュ雇用相が法務長官に任命されるとしている。
法務長官が訴訟を起こしており、また、女性の自殺にかかわる捜査も行われる可能性があることから、連邦の司法組織の最高責任者は利害の抵触もあり得ることから、モリソン首相は、スティーブン・ドナヒュー法務次官にポーター氏の大臣責任について問い合わせており、また、フィル・ゲージェンスジム法務省事務次官にも大臣基準にどう適用すればいいのかを問い合わせている。
ポーター氏は内閣に留まり、労使関係問題担当は引き続き担当するが、法務長官の席はポーター氏と同じWA州選出のミカエリア・キャッシュ雇用相が、また、レイノルズ国防相は大臣の席から降格され、代わりに長年国防相就任を念願していたピーター・ダットン内相が就任する見こみ。
モリソン連邦首相は、23日の記者会見でニューズ・コープのジャーナリストから、「首相は議会内の統制もできなくなっているのではないか?」との質問に逆ギレし、「ニューズ・コープでも女子トイレで性的嫌がらせが起きたというではないか。みんなガラス張りの温室に住んでいる者は石を投げる時には注意した方がいい」と攻撃した。しかし、ニューズコープ社が直ちに「当社にはそのような事実はない。また性的嫌がらせの訴えは極秘に扱うべきものであって、記者会見で公表していいものではない」との声明を発表した。
24日、モリソン連邦首相は、事実無根の非難攻撃と、性的嫌がらせの訴えを記者会見で公表する発言の双方について謝罪しなければならなかった。
■ソース
Christian Porter to lose Attorney-General job, Linda Reynolds to lose Defence in Cabinet reshuffle