ペイン女性問題相、アンドルーズ内務相

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予定通りキャッシュ法務長官、ダットン国防相

 3月29日、スコット・モリソン連邦首相は、連邦閣僚の一部の入れ替えを発表した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 この入れ替えは、自殺した女性から「1988年に強姦された」と訴えられていたクリスチャン・ポーター氏が法務長官を4月上旬まで休職しており、また、リンダ・レイノルズ国防相の元職員が、職員グループで飲んだ夜に泥酔し、国防相執務室で同僚職員に強姦されたと訴えていた事件で、レイノルズ大臣が複数の職員のいる場所で訴えていた女性のことを、「lying cow(うそつき女め)」と呼んだことが明らかにされ、レイノルズ大臣は謝罪後に健康を理由に4月まで休職していたことを受けて行われた。

 今回、ポーター氏を他の大臣職に異動し、レイノルズ氏は大臣職から外し、女性議員を登用している。

 保守連合与党の女性議員、女性閣僚不足を指摘する批判が以前からあり、さらに前回選挙でもジュリア・バンクス自由党議員が保守連合党内の女性蔑視の風土を批判して脱党、政界引退した事件があるが、まったく改善されておらず、最近になって女性職員に対する性的嫌がらせの訴えが噴き出していた。

 これまで政府内で最大の権力を持つ内相を務めていた自由国民党右派のピーター・ダットン氏を国防相兼下院与党院内総務に任命、これまで雇用相を務めていた自由党中道右派で弁護士資格を持つミカエリア・キャッシュ氏を法務長官兼労使関係担当相に据えている。また、カレン・アンドルーズ産業相が内相に昇格された。

 また、女性の平等、安全、経済保障、厚生福利問題の内閣タスクフォース新設を発表し、モリソン首相とマリス・ペイン女性問題担当相が共同議長に就任、女性閣僚全員とジョシュ・フライデンバーグ財相、サイモン・バーミンガム金融相も加わっている。

 その他、アン・ラストン社会福祉相を内閣リーダーシップ・チームに加え、ジェーン・ヒューム金融相は女性の経済保障も担当することになる。アマンダ・ストーカー議員は女性問題副大臣に就任、さらに労使関係担当と法務省のキャッシュ大臣を補佐する。

 ポーター氏はABCを相手取って名誉毀損訴訟を起こしており、国内司法の長という職との利害抵触があるため、法務長官の職を解かれたが、今後は産業科学技術担当大臣に就任する。レイノルズ氏は復帰後には福祉関係行政を束ねる政府事業相に就任する。スチュアート・ロバート政府事業相から雇用担当相に移る。また、閣外相になっていたメリッサ・プライス防衛産業担当相を閣内相に復帰させる。そのため、スッサン・レイ環境相を加えて女性閣僚は7人になる。

 また、アンドルー・ラミング自由国民党議員は、オンラインで女性に嫌がらせしたり、女性職員が職務で前屈みになっているところを背後から撮影するなどの行為が指摘されており、保守連合内から辞職を求める声が挙がっているが、モリソン首相は与党保守連合議員が減ることを嫌って、「ラミング議員はカウンセリングを受けている」と擁護している。
■ソース
Marise Payne the ‘prime minister for women’ as Morrison adds women’s taskforce in reshuffle

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