連邦政府、接種作業を州・準州に大幅一任

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これまでのコロナウイルス・ワクチン計画ご破算

 コロナウイルス・ワクチン接種作業は様々な要因が発生して難航しており、連邦政府は遂にこれまでの計画表をご破算にしてC案を採用、州・準州政府に大幅に一任し、大規模接種センター設立の可能性を探っている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 また、高齢者・障害者施設職員の接種は州立病院をハブとして利用することになる可能性も出てきている。

 疫学専門家パネル「Australian Technical Group on Immunisation」が、アストラゼネカ・ワクチンは50歳未満には接種しないようにとの勧告を出したことから、高齢者介護・障害者介護部門の318,000人の職員のかなりの部分が予定されていたアストラゼネカ・ワクチン接種からファイザー・ワクチン接種に切り替えることになった。また、同部門からは、「職員がファイザー・ワクチンを受けられるようにするため、州立病院のハブを活用すべきだ」との要求が上がっている。

 ファイザー・ワクチンは当初の2,000万用量に2,000万用量の追加注文契約を済ませているが、2021年第4四半期なるまで少量ずつしか入荷しない可能性がある。

 大がかりな計画変更の結果、州が接種作業を肩代わりすることで経費負担の問題が起きている。また、一般診療医が引き受ける接種に関しては連邦政府が負担することになっている。そのため、連邦野党の労働党は、「スコット・モリソン連邦政権は自分達の不手際を州政府に押しつけている」との批判を展開している。

 また、当初、「10月末までに成人国民全員に接種を済ませる」としていたモリソン政権は、目標を徐々に引き延ばした結果、遂に目標を立てないと宣言しており、2022年末まで終わらないとする意見さえ出てきている。

 パースでの記者会見で、モリソン連邦首相は、「ファイザー社が注文契約量を納入し、CSL社がアストラゼネカ・ワクチンのライセンス生産を滞りなく進めるなら年内に全国民の接種を済ませることができる」と希望を語っている。

 VIC州のジェームズ・マーリノ州首相代理は、「カールトンのロイヤル・エキシビション・ビルディングやメルボルン・エキシビション・コンベンション・センターに大規模接種施設を設立した。ここで医療従事者、警察官その他の前線労働者の接種を進める。ワクチン接種作業についてVIC州は連邦に喜んで協力する用意がある」と語っている。
■ソース
Federal government appeals to states for help as vaccine rollout goes to plan C

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