血栓症不安で高齢者を中心に接種取消相次ぐ
アストラゼネカ・ワクチン接種後に3人が血栓症を発症し、1人が死亡したことで豪医薬品管理局(TGA)が、ワクチンと血栓症の間の因果関係が濃厚と発表し、専門家パネルが、「50歳未満にはアストラゼネカ・ワクチンを避けるように」と発表したことで、国民の間に動揺が広がっており、大勢の高齢者が接種予約を取り消している。
4月19日、国民の間の動揺を懸念するグラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、「もっと積極的に接種を受けるように」と呼びかけている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ジェニーン・ノリスさん(48)が同ワクチンの接種を受けた後に血栓症を発症し、病院に運ばれたが死亡した事故は現在もTGAが因果関係を調べているが、血小板減少症候群を伴う動静脈の血栓などから因果関係があるとの暫定発表になっている。
19日、ベレジクリアン州首相は、「50歳以上の人にはアストラゼネカ・ワクチンも問題がないことは分かっていることでもあり、また、このワクチンは国内にも十分な供給量があるのだからもっと積極的にワクチン接種を受け入れてもらいたい。どんどん接種を進めなければならない」と語っている。
接種を扱っているGPからは、1週間で予約が半減した。接種計画を促進するためには、アストラゼネカ・ワクチンだけでなく、ファイザー・ワクチンも供給できるようにした方がいいとの意見も出ている。
ベレジクリアン州首相は、「ホームブッシュに設立した大規模ワクチン接種ハブでは接種の準備ができているし、州内100箇所の接種実施所でも準備はできている」と語っている。
国内接種計画は連邦政府が大半を担当することになっていたが、計画が大きく崩れ、スコット・モリソン連邦首相が州・準州に引き受けを依頼している。NSW州は30万回を担当することになっており、その3分の2を既に済ませている。
ベレジクリアン州首相は、コロナウイルス対策ではオーストラリアは世界をリードしてきた。国民の間に接種が行き渡ればそれだけ早く様々な規制も緩和できる、と語っている。
■ソース
Gladys Berejeklian urges Australia to be less rigid in its approach to COVID vaccine rollout