感染症予防専門家「ホテル隔離制度即刻中止を」

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各州で頻発する隔離ホテル介した感染事故

 WA州パースとピールのロックダウン宣言に続いて、他州でもこの2つのロックダウン地域からの旅行者の入域を禁じる対策を発表している。

 一方、感染症予防専門家はホテル隔離の中止を呼びかけている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 4月24日にはNSW州政府が、「パースのロックダウン地域からの旅行者の入域を3日間禁止する」と発表した。

 パース市内のMercure Hotelはこれまで隔離ホテルに充てられてきたが、建物の換気が不十分ということが判明しており、ホテル隔離には使わないことが決まっていたが、このホテルで14日間過ごした50代のメルボルンの男性は隔離中も、隔離を終えてパースに5日間滞在中も陰性だったにもかかわらず、メルボルンに戻ってから陽性と判定されたため、同ホテルでの隔離中に感染したことが疑われている。

 ニュージーランド(NZ)は、WA州との隔離免除双方向交通を停止した。また、NSW州も同様の措置を発表した。

 豪医師会(AMA)WA州支部のアンドルー・ミラー会長は、「このWA州のアウトブレークは運が悪かったのではなく、現在の隔離制度が悪かったというものだ。コロナウイルスは空気中をかなりの距離まで飛散することはかなり以前から言われていたことだし、Mecure Hotelが隔離ホテルには不向きということも指摘されていた」と語っている。

 ホテル隔離でウイルスが漏れることは以前からほとんどの州の隔離ホテルで起きており、NTのハワード・スプリングスの施設のように、帰国者・渡航者を安全に隔離する専用施設の必要がますます強く指摘されるようになってきている。

 AMAのオマール・ホルシッド全国会長も、「ハワード・スプリングスの施設を除いて、国内の隔離ホテルはすべて感染予防対策が不足している。ホテル隔離は短期的な措置だったが、帰国者隔離の必要は今年いっぱい、あるいは来年も続く見こみになっており、政府が長期的な措置を考えるべき時に来ている」と発言している。
■ソース
Infection control experts call for an end to hotel quarantine in Australia

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