「現在、アフガニスタンへの再派兵計画はない」

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ダットン新国防相が国防軍部隊撤兵に関して発言

 オーストラリア政府は、アフガニスタンに少数駐留している豪国防軍部隊のアフガニスタンからの完全撤兵の計画を明らかにしていたが、4月25日にはピーター・ダットン新国防相が、「現在、国防軍部隊をアフガニスタンに再派遣する計画はない」と発言している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この日、ダットン大臣は、「この先何年かしてアフガニスタンの国内治安が悪化しても部隊を派遣することはしない」と語った。

 主力だったアメリカ軍がアフガニスタンからの完全撤退を決めており、外国軍撤退後のアフガニスタン国内治安が再び悪化するのではないかとの不安がアフガニスタン内外に広がっており、ダットン大臣発言は、この不安に対して、釘を刺したものと見られる。

 アフガニスタン派兵以来20年間の間に通算39,000人を超える派兵があったが、現在は指導などにあたる80人を残すのみとなっている。

 4月初め、ジョー・バイデン米大統領が、9月11日テロ攻撃20周年までに米軍部隊を完全撤兵すると発表しており、スコット・モリソン連邦首相が、「豪国防軍将兵も完全撤兵する」と発表していた。

 アフガニスタンでは政権とタリバンとの和平交渉も暗礁に乗り上げており、各地で武力抗争やテロ攻撃が頻発していることから、外国軍が完全に撤退すれば再び20年前の国内状況になるのではないかと危惧されている。

 再派兵を否定するダットン国防相は、「アフガニスタン国内の脅威に対しては派兵以外にも対応手段があるのではないかと考えている。オーストラリア国防軍のアフガニスタン派兵で世界的にテロの脅威を抑え込むことができたと思う。ただし、撤兵後もこれからの何十年間か、アフガニスタン国内状況を注視しなければならない。今後、タリバンの問題が大きくなれば、アメリカ政府がすでに発表しているように現在の軍事以外の努力を続けていく。もし、再び武力抗争が活発になったり、オーストラリア国内でのテロ攻撃の可能性が大きくなれば、人道的・合法的な手段でオーストラリア国民を守る用意がある」と語っている。

 モリソン首相は、キャンベラでのアンザック・デー式典で、「アフガニスタンでは41人のオーストラリア国民が命を落とした。今朝、ここにこの式場でその41人を顕彰する」と語った。
■ソース
Defence Minister Peter Dutton says there are ‘no plans for Australian troops to return’ to Afghanistan

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