大シドニー地域のコロナウイルス・ロックダウンで大混乱

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学校休み始まりの旅行シーズンと重なり全国に波及

 6月26日付ABC放送(電子版)は、同日付で大シドニー地域が2週間のロックダウンに入り、今週始まったばかりの学校休みで家族旅行に出かけた人々も行く先々の州でロックダウンと同じ条件を課せられるなどの事態に直面していることを伝えている。

 また、NTのグラニット金鉱ではFIFOの職員がコロナウイルス陽性と判定され、金鉱全体の900人が検査と自己隔離を指示されるなどで混乱が起きている。

 さらにコロナウイルス・ワクチンが国内各地で供給が滞り、接種プログラムが計画通りに進んでいない事態も混乱を悪化させている。

 さらには、これまでの国内のアウトブレークは、ホテル隔離の海外帰国者や国際線航空乗務員からウイルスが漏れて広がるケースがほとんどすべてで、ホテル隔離制度については各州政府が連邦政府に善処を要求してきたが、スコット・モリソン連邦首相が、「ホテル隔離制度は99.99%機能している」と現行制度を考え直すことを最近まで拒んでいた。また、州政府が提出する「専用隔離施設」計画も否定していたが、連邦政府も少し前から考え直し、専用隔離施設建設に前向きになっている。

 大シドニー地域のロックダウンは、最近この地域に滞在したことがあり、それぞれの州や準州に帰宅した人々などにも適用されており、各州、準州政府が、14日間の自宅待機などを命じている。

 また、各地の観光部門も大きな影響を受けており、NSW州南部、VIC州との州境に近いマレー・ダウン・リゾートでは、NSW、VIC、SA各州の住民からキャンセルが入っていることを伝えている。リゾートのニコール・スラッタリー・マネージャは、「規制がはっきりしないため、旅行先で2週間の自己隔離を命じられる懸念があると誰でも二の足を踏む」と語っている。

 一方、ロックダウン前にNSW州のグリフィスから自家用機でNTに飛んだが、着陸を拒否されたため、SA州のオパール産地、クーバー・ペディの町に着陸した女性2人と男性1人の3人組が逮捕されている。SA州は、ロックダウン以前にボンダイ・クラスターが大きくなってきた時点でNSW州民の入域を禁止していた。SA州警察は、26日朝に3人をカラオケ・バーで発見し、脆弱なアウトバック社会を危険にさらす行為としている。

 NTのアリス・スプリングスから540km北西のタナミ砂漠にあるグラニット金鉱では職員1人がコロナウイルス陽性と判定されたため、900人のFIFO職員が隔離に入っている。この陽性職員は、ブリスベンの隔離ホテルに滞在した後、チャーター機で金鉱に入ったが、ブリスベンの隔離ホテルが隔離ではなくウイルス感染の現場だったということが検査で判明した。職員は25日に隔離に入ったが、900人の職員はすでに鉱山を出てブリスベン、パース、アリス・スプリングス、ダーウィンなどの町に移っている。

 シドニーのウェスト・ホクストンで開かれた誕生日パーティでは国内各地から30人ほどが集まっているが、参加していた男性一人はVIC州のオークリーに帰宅した後、ドライ・クリーニング店に出勤し、同僚一人を感染させている。

 その他にも各地でコロナウイルスによる混乱が起きている。
■ソース
COVID-19 outbreaks across Australia leave many locked down or just nervous for school holidays

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