感染しなかった6人は接種済みの医療従事者
シドニー都市圏南西部のウェスト・ホクストン地区で開かれた誕生日パーティで参加者の一人がシドニー東郊のボンダイ・クラスターの感染者だったことから30人の参加者のうち24人が感染しており、6人はコロナウイルス・ワクチン接種を受けた医療従事者だった。
NSW州政府が発表した。
6月28日付ABC放送(電子版)が伝えた。
このできごとで新しく侵入してきたコロナウイルス・デルタ株の感染力の強さとワクチンの効力が実証される形になった。
オーストラリアの接種計画は最初は進展が鈍かったが、慣れてくれば徐々に早くなるだろうと言われていた。しかし、供給の問題やアストラゼネカ・ワクチンの血栓症問題も加わり、期待したような1日の接種回数の伸びは見られず、州によっては1日の接種回数が下がっているところもある。
ウェスト・ホクストン地区のケースは、「スーパー・スプレッダー」イベントと呼ばれ、状況によって猛烈な数の感染を引き起こすと懸念されており、参加者のうちの6人がワクチン接種を受けていなければ100%近い感染率になっていたはずだった。
ブラッド・ハザード州保健相は、「この事実はワクチン接種の重要性を強調している。感染した24人には接種済みは1人もおらず、完全接種を受けていた6人の医療従事者は1人も感染していなかった。そればかりでなく、パーティには接種を1回だけ受けた高齢者介護施設職員も1人いたが、その人物も感染していない。徐々に明らかになっていくことは明らかだが、このパーティのケースから、ワクチン接種を受ければコロナウイルスに感染しない可能性は大きいと言える」と語っている。
グラディス・ベレジクリアンNSW州首相も、「6月16日以降のボンダイ・クラスターの感染者は130人にのぼっているが、ワクチンは新種のデルタ株にもかなり効力があることが示されている。少なくとも患者が重症化することを防ぐ効力があることは確かだ」と語っている。
ただし、「ワクチン接種していれば感染しないとか人にうつさないということではなく、感染しても比較的軽い症状で済み、人に感染させにくいということであり、ワクチン接種者も現在のロックダウンの対象になる」と語っている。
■ソース
Vaccinated health workers at West Hoxton birthday party didn’t contract COVID-19, NSW Health reveals