未接種のまま感染状態で10日間市中で生活
ブリスベンの19歳の病院職員がコロナウイルス・デルタ株に感染し、感染力のある時期に検査を受けるまでの10日間各所に足を運んでいたことが明らかになった。
6月29日付ABC放送(電子版)が伝えた。
このできごとを受け、QLD州政府は州南東部とタウンズビルや2つの島に3日間のロックダウンを発令した。
ジャネット・ヤング主席医務官の発表によると、この女性はブリスベンのプリンス・チャールズ病院勤務ではあるがコロナウイルス病棟勤務ではなく、ワクチン接種も受けていなかった。
州保健当局は現在女性から採取したデルタ株ウイルスをこれまでに起きたクラスターのウイルスと照合するため、現在ゲノム解析を急いでいる。
この女性は6月21日に発症し、1週間後に検査を受けに現れたが、同月19日から感染力を持っていたと考えられている。その期間、女性はブリスベンからタウンズビルに行き、マグネティック・アイランドに渡っている。
デルタ株はインドで最初に発見され、現在では世界の80か国以上で見つかっている。感染してから感染力を持つまでの期間が極端に短く、しかも感染力が従来の株よりもはるかに強く、衛生措置にも抵抗があり、症状も多岐にわたるため、非常に懸念されている。
シドニー東郊で発生したボンダイ・クラスターでは1人の感染者から現在は130人が感染しており、また、国内各地に飛び火している。
また、病院職員感染者の同居人2人と友人1人がコロナウイルス症状を示しており、検査結果を待っている。
このロックダウンでは360万人が影響を受けると見られており、7月2日までの3日間のロックダウンで感染者が増えるようならさらにロックダウンを延長することも視野に入っている。
アナスタシア・パラシェイQLD州首相は、「病院職員がワクチン接種を受けていなかったとは言語道断。現在は学校休みの最中で、いろいろと計画を建てていた家族も多いことは承知している。しかし、私達は果断迅速にロックダウンでウイルスを封じ込めなければならない」と語っている。
州保健局は、「州の病院の職員は66%が既に1回は接種を受けている。また、GPで接種を受けた病院職員はこれに含まれていない」と語っている。