NSW、新たに825人を陽性と判定、死者3人

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急激な感染拡大に州首相が冷静を呼びかけ

 8月21日付ABC放送(電子版)は、NSW州で8月20日午後8時までの24時間に新たに825人が陽性と判定され、また3人が亡くなり、このアウトブレークの死者は68人にのぼったことを伝えている。

 この数字は前日の新陽性者644人から一挙に200人近い増加率を示していることになる。21日午前の記者会見に立ったグラディス・ベレジクリアンNSW州首相は市民に対して冷静を呼びかけ、「デルタ株が社会に広まっていることを認めなければならない」と発言した。

 24時間の陽性者発生数としては2020年3月以来最大の数字で、そのうち既知のクラスターとの感染経路が確認されているのは149人だけで、700人近い陽性者の感染経路がまだ調査中となっている。また、290人はシドニー西部保健管区(LHD)、253人がシドニー南西部LHDとなっている。

 また州教育省は、ライカート小学校のッ教職員が陽性と判定されたため、学校を閉鎖、消毒している。また、レーン・コーブ・ウェスト小学校でも生徒1人が陽性と判定されたため、学校を閉鎖し、消毒している。両校とも生徒、職員には検査を受け、自己隔離するよう通達が出ている。

 ベレジクリアン州首相は、「デルタ株は追放できない。社会を開放し、以前のように自由に生きようとすればコロナウイルスを完全に追放することは不可能だ。この何年かの間、様々な災害を受けてきた。パンデミックばかりではなかったが、いつでも生き抜くことができる」と語っている。

 マルーブラ地区で違法なパーティが開かれたことが発覚しており、ベレジクリアン州首相は、同地区、マラバー、マトラビルの住民にごく軽い症状でも感じたら検査を受けるように呼びかけ、「マルーブラの違法パーティに厳格ロックダウンになっているシドニー都市圏西部の12自治体の者も参加していたと知ってショックを受けている」と語っており、ブラッド・ハザード保健相も、「マルーブラのパーティには60人も参加したらしい。また州西部では葬儀が開かれ、350人から500人ほどの規模になった。

 8月20日夜にはケリー・チャント主席医務官が、アンソニー・カラム(27)を、公衆衛生上のリスクとして、氏名を公開する公衆衛生警告に自ら署名した。州警察によると、カラムはコロナウイルス検査で陽性と判定されたが自己隔離を拒否して行方をくらましており、警察は逮捕状を取得している。ハザード大臣は、「カラムが他の者に連絡し、『人にウイルスを感染させても気にしない』と伝えている」と語った。

 825人中637人の行動がまだ確認されていない。また、NSW州のコロナウイルス死者は2020年3月パンデミック宣言以来で124人に達しており、90代の女性1人はリバプール病院クラスターで10人目の犠牲者になった。他の2人はシドニー北部の90代と80代の男性が、グリーンウッド高齢者介護施設で亡くなっており、2人は接種を受けていない施設職員からウイルス感染させられた。

 現在、NSW州の病院では516人がコロナウイルスで入院しており、85人はICUに収容、29人は人工呼吸器をつけている。
■ソース
NSW breaks COVID-19 case records with 825 infections, three deaths

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