マスク不着用の反ロックダウン抗議行動荒れる
8月21日付ABC放送(電子版)は、VIC州保健当局の見解として、コロナウイルス感染者が発症しても検査を受けるのをためらうことで事態を悪化させている可能性を伝えている。
また、8月21日にはメルボルン市内で大規模な反ロックダウン抗議行動があり、参加者の大部分がマスク不着用で密集していたことから、感染力の強いデルタ株の感染者が一気に増える可能性が懸念されていることを伝えた。
8月20日午後、VIC州全土がロックダウンに戻り、地方部もメルボルン都市圏同様のステージ4規制に入った。また、同21日にはアクティブな患者の数も400人を超え、その44%が19歳未満という状況になっている。
また、州北東部シェパートン市では21人がコロナウイルス陽性と判定されており、シェパートンとバララット市では感染が憂慮される地区がいくつも現れている。
ジェリーン・ワイマー・コロナウイルス対策本部長は、「最低3世帯を根城にして広がっているクラスターで感染者は検査を受ける何日も前から発症していたが検査を遅らせていた。VIC州の最近の傾向として検査を遅らせる人が増えている。ワイマー対策本部長は、「感染可能期間初期に感染者を発見したいのだが」と語っており、また、「検査を受けて結果が出るまで自宅隔離しなければならないことから検査をためらう人に対しては$450の隔離手当も用意されている。また、ウイルスに感染したり、あるいは濃厚接触者として14日間の強制隔離を経験した人にはさらに$1,500が支給される場合もある。
また、21日午後にメルボルン都心部で行われた反ロックダウン抗議行動について、ディーキン大学の疫学専門家、キャサリン・ベネット教授は、「ただでさえ、このアウトブレークが重要な段階にあり、どこにウイルスが潜んでいるのかまった分からない状況にある。戸外でさえ感染が起きている。抗議行動に参加した人々がこの規則を無視し、マスクを着用せず、密集したことでコロナウイルス感染が広まる危険性は現実的になってきている」と語っている。
メルボルンの抗議行動は参加者4,000人のうち、200人以上が暴力行為などで検挙されている。また、警察はゴム弾や催涙弾を発射した。
ベネット教授は、「抗議行動に参加した人々が他の人にウイルスをうつすつもりはないと思うし、人に感染をさせてロックダウンを更に長引かせることは望んでいないとは思う。VIC州民にとってまだまだ厳しい月になると思うが、ワクチン接種率を上げるなどをすれば必ず事態を切り抜けることができるはず」と語っている。
■ソース
Victoria’s COVID-19 outbreak worsens as testing delays, anti-lockdown protests prompt concern