ただし、まだ夏は半分過ぎたばかり
大陸南東部諸州は1月16日から週末まで雨が降り続く見込みで、ブッシュファイア発生地域でも旱魃に悩まされていた農村地域でも住民は飛び上がって喜んでいる。しかし、夏はまだ半分過ぎたばかりであり、ブッシュファイアのリスクもまだ過ぎてはいない。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が各地の様子を伝えている。
NSW州郡部消防局(RFS)のジョンティ・ブルース広報担当官は、「この雨で消防士も頭をすっきりさせるゆとりができたが、ブッシュファイアの季節は過ぎてはいない。夏は半分過ぎたばかりだ。ブッシュファイアのリスクはまた戻ってくる。いつ、どこにということだけだ」と警戒を呼びかけている。
この雨で州北部の雨でいくつかの火を消し止めることができたし、鎮火の見通しがついたところもある。週末いっぱい降り続く見込みだし、州南部、南部海岸地域には20日にも降り続くと予報されている。ただし火事の現場地域ではまだ充分に降っていない」と語っている。
気象庁(BoM)のニール・フレーザー予報官は、「来週半ばからは北西風が吹き、再び高温乾燥気象条件が戻ってくるため、ブッシュファイアの危険も再び高まる。湿り気は短期的で、5日間の穏やかな気象が続いた後、再びブッシュファイア条件が戻ってくる」と語っている。
また、「1月22日頃にはNSW州北部一帯の気温が摂氏40度まで上昇し、23日にはシドニー、ハンター両地域から州南部にかけても同じような気象条件に戻る」と語っている。
1月17日、州全土で7箇所のブッシュファイアが起きており、そのうち30箇所はまだ鎮火の見込みが立っていない。
RFSにとっては気象条件の動向は重要な情報だが、気象観測所と離れている場合、ブッシュファイアの現場の気象条件が得られにくいため、RFSではポータブルの自動気象観測装置(Paws)を用意している。この装置はソーラー・パネルや蓄電池で動作し、必要とされる現場近くの局地的な風向、風速、気温、湿度などの条件を調べることができる。PawsはQLD州境から州南部まで30箇所に配備されている。このポータブル気象観測所のデータは気象庁を通して公開されている。
■ソース
‘Only halfway through summer’: rains a welcome relief but fire risk not over