イプソスの世論調査、気候変動懐疑派増加も
最新のイプソス世論調査によると、オーストラリア国民は気候変動対策を支持しているが、気候変動人為説やブッシュファイアとの関連などになると支持政党で歴然とした隔たりが現れている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
まず、回答者の68%が気候変動は生活に深刻な脅威になるだろうと考えており、それを食い止めるための対策は支持している。また、オーストラリアが温室化ガス排出問題で世界をリードしなければならないと考えていることも明らかになった。
イプソスの世論調査は1月に1014人を対象に行っており、また、先週にエージ、シドニー・モーニング・ヘラルド両紙のために2つのフォーカス・グループが行った調査結果と合わせている。
過去10年にわたってほぼ毎年測定しているいくつかの指標から、今夏のブッシュファイアで大規模な変化が現れているが、過去2年の数値に比べて、気候変動懐疑派がむしろ増えている。
調査で、「気候変動に大きな疑いを持っている」との回答者が24%にのぼっており、これは2年前の19%、10年前の22%と比べても大きい。また、「大きな疑い」は、自由党、国民党支持者では38%にのぼるのに対して、労働党支持者では9%に過ぎなかった。このように支持政党別の気候変動意識の隔たりはむしろ広がっている。
また、気候変動を懸念すると答えた回答者は79%で2019年7月の74%から上昇しているが、気候変動とブッシュファイアとの関係については大きな変化は見られなかった。一方で気候変動が今後25年間に大きな脅威となると答えたのは62%で、2年前の63%と同じく、10年前の59%に比べて伸びている。
ところが、ブッシュファイアと気候変動をめぐって政界でもメディアでも盛んに議論されている現在、「対立する意見が余りにも多すぎて何を信じていいのか分からない」とする回答者が55%にもなり、過去2回の50%から増えている。また、「気候変動を防ぐためにライフスタイルを変える気にはならない」という回答者は24%で2年前の21%より増えている。
ブッシュファイアをきっかけに気候変動とブッシュファイアとの関係を信じない人が増えており、保守連合支持者ではその傾向が顕著になり、逆に労働党・緑の党支持者は因果関係を認める傾向が強まっている。
■ソース
Australians back climate change action while science divides along party lines