国内トップクラスの疫学者2人が予測
国内トップクラスの疫学者2人が、「NSW州とVIC州がこのまま2,3週間の間、新陽性者ゼロを続けることができれば国内からコロナウイルスを根絶したと判断できる」と発言している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
VIC州は連日多数の検査をしているにもかかわらず8日連続で新陽性者ゼロを記録しており、NSW州も感染源不明の市中感染はほとんど発生しておらず、陽性者が出ると直ちに接触追跡調査が行われている。そのため、一部の専門家は、「コロナウイルスは国内から一掃されてしまったのではないか?」とさえ発言している。
オーストラリア国内の全コロナウイルス感染者の90%、コロナウイルス感染死者の96%がNSW、VIC両州で占めている。
ラ・トローブ大学の疫学者、ハッサン・バリー氏は、「新しい陽性者が出ればウイルスの広がりを抑え込むことはこれからも重要だ。その点でNSW州が模範だ。オーストラリアで来週に何が起きるか誰も分からない。これから1週間以上ゼロ新陽性者が続くこともあり得ないことではない。もし、そうなればオーストラリアからウイルスを一掃したと考えられる」と語っている。
VIC州の目標はコロナウイルスの根絶ではなく、それより緩い制圧だったし、NSW州もこれまでずっと、「ワクチンが成功するまでコロナウイルスと付き合っていくことを考えなければならない」と州民に訴えていた。
ディーキン大学のキャサリン・ベネット疫学部長は、「ごく少数の細い感染連鎖が起きることは考えられるが、オーストラリア国内でコロナウイルスが根絶した可能性もある。既知の感染例の接触追跡を行ってきた結果だ。まだ、どこかにウイルスが潜伏している可能性はあるが、もう広がることもできずに死に絶える可能性の方が大きい」と語っている。
今週初め、NSW州のグラディス・ベレジクリアン州首相も、「NSW州保健局のモデル化計算からVIC州ではすでにウイルスが駆逐されている可能性もある」と語っている。また、ケリー・チャント主席医務官も、「メルボルンの男性が持ち込んだウイルスがカシュラのパブから広まるまで新陽性者が発生がゼロになっていた。当時、NSW州ではウイルスが駆逐されていた可能性がある」と語っている。
■ソース
Coronavirus could disappear in Australia if NSW and Victoria maintain control over next few weeks, experts say