38年勤めた州警察も辞職

オーストラリア最大の警察組織であるニューサウスウェールズ州警察の制服組トップ、カレン・ウェブ警視総監が9月に辞任し、38年間勤めた州警察も辞職する。クリス・ミンズ州首相と州警察が7日、発表した。
ウェブ氏は1969年同州南西部ブーロワ生まれの55歳。87年に入署し、州の地方部やシドニー都市圏で犯罪捜査などに従事。交通・高速道路警備のトップなどを経て、2021年に副警視総監に昇格。22年に同州で史上初の女性警視総監に就任していた。
在任中は、24年4月にシドニー東郊ボンダイ・ジャンクションで7人の死者(容疑者1人を含む)を出した無差別刃物殺傷など凶悪事件の対応に当たった。家庭内暴力の登録制度や性犯罪の匿名通報制度の創設、人種差別犯罪の取り締まりなどに尽力した。警官の賃金引き上げでも実績を残した。
息子2人を育てる「働く母親」でもあり、家族と相談した上で辞任を決めた。公共放送ABC(電子版)によると、警察学校卒業から38年となった節目の5月の退職を希望していたが、9月にずれ込んだという。
ミンズ州首相は声明で「(初の女性警視総監として)先駆的な役割を果たした最上級の警官として、ウェブ警視総監はこれからもずっと記憶されるだろう」と功績を称えた。
■ソース
Police Commissioner Karen Webb(Statement by: The Premier)
Commissioner Webb APM to retire in September(NSW Police Force)