5月の月次CPIは前年同月比2.1%上昇

オーストラリアではインフレ鈍化のトレンドが鮮明になってきたため、7月の追加利下げがほぼ確実視されている。オーストラリア統計局(ABS)が25日に発表した月次物価統計(四半期統計と異なる)によると、5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.1%上昇した。4月の2.4%上昇からスローダウンし、2024年10月以降で最低の水準を記録した。
品目別では、食品・アルコールを除く飲料が2.9%、住居費が2.0%、アルコール飲料・タバコが5.9%それぞれ上昇した。反面、原油相場の低下を背景に自動車燃料が10.0%、政府の補助金支給の影響で電気料金が5.9%それぞれ下落した。
家賃は4.5%上昇したが、4月の5.0%から上昇のペースを下げ、21年4月以降で最低となった。
ABS物価統計部門の責任者を務めるミシェル・マーカート氏は声明で「連邦・州政府の補助金がなければ、電気料金は2.0%上昇していただろう」と述べた。また、主要都市の5月のガソリン料金は1リットル当たり平均1.73豪ドルだった。同氏は「これは1年前より20豪セント安く、23年9月の1リットル当たり2.07豪ドルのピークと比べて著しく下落している」と指摘した。
極端な物価変動を除いた基調的インフレ率「トリム平均値」も、前年同月比で2.4%の上昇にとどまった。4月の2.8%上昇から鈍化し、21年11月以来最低の水準となった。
金融市場は追加利下げを織り込んでいる。公共放送ABC(電子版)によると、中央銀行の豪準備銀(RBA)が7月の次回会合で政策金利を引き下げる確率は、物価統計の発表後に81%から88%に上昇した。
RBAは今年2月に利下げを開始し、5月にも追加利下げを行った。引き下げ幅はそれぞれ0.25ポイント。政策金利は現在、3.85%となっている。
■ソース
Monthly CPI indicator rises 2.1% in the year to May 2025(ABS)
Monthly Consumer Price Index Indicator(ABS)
Inflation eases back more than expected in May, trimmed mean at lowest since 2021(ABC News)