手取りを増やす冬! オーストラリア生活者が月約1万円トクする理由とは?

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インフレ4年ぶり低水準 中銀8月利下げ濃厚に

 インフレ沈静化がいよいよ確実になってきたため、オーストラリアの中央銀行・豪準備銀(RBA)が、8月11〜12日に開く次の会合で追加利下げに踏み切る公算が高まっている。これを受けて、変動金利型住宅ローンを返済している平均的な世帯は、1カ月当たりおおむね約1万円程度、支払いが減る可能性がある。

 オーストラリア統計局(ABS)が7月30日に発表した4-6月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同期比2.1%と1-3月期の2.4%から減速し、過去4年間で最低を記録した。前期比の上昇率は0.7%(1-3月期は0.9%)だった。

 RBAが金融政策を決定する上でより重視する「トリム平均値」(極端な物価変動を除いた値=コアインフレ率に相当)の上昇率も、前年同期比2.7%(1-3月期は2.9%)と約3年ぶりの低水準まで落ち着いてきた。

 失業率の上昇と、インフレ圧力の低下を背景に、金融市場は8月会合での利下げを織り込んでいる。RBAは7月の前回会合で、大方の予測に反して金利を据え置いたが、ロイター通信によると、RBAが現行3.85%の政策金利を0.25ポイント引き下げる確率はほぼ100%近いと市場は見ている。4大銀行もすべて利下げを予測している。

 ロイターによると、ウエストパック銀のルーシー・エリス首席エコノミストは「RBA理事会は、現在の金融引き締め姿勢の解除を注意深く持続する必要があると認識しているようだ」と述べ、RBAは8月の0.25ポイント引き下げに続き、今年11月、2026年2月、同年5月にも追加利下げを行うとの予測を示した。

 持ち家率が高く、変動型住宅ローンの債務者が多いオーストラリアでは、利下げは減税に等しく国民の財布を潤し、消費を活性化させて景気を刺激する効果が期待できる。

 金融商品比較サイト「ファインダー」の試算によると、中銀の利下げに追従して、仮に主な金融機関が変動金利型住宅ローン金利を0.25ポイント引き下げれば、返済総額60万豪ドルの場合、支払い負担は1カ月当たり100豪ドル、1年当たり1,200豪ドル減るという。支払い負担の減少幅は、80万豪ドルの場合、月128豪ドル、年1,536豪ドル、100万豪ドルの場合、月161豪ドル、年1,932豪ドルに達する見通しだという。

■ソース

CPI rises 0.7% in the June 2025 quarter(ABS)

Australia Q2 inflation surprises on low side, heralds rate cut(Reuters)

What happens when the RBA cuts the official cash rate?(Finder.com.au)

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