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「小国が返済しきれない金を押しつけてどうするのか?」

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元南太平洋担当大臣、首相の島国への借款を批判

 スコット・モリソン連邦首相は、フィジーなど南太平洋訪問の旅に出ており、島嶼国を対象に借款提供を計画しているのに対して、コンチェッタ・フィエラバンティ=ウェルズ元南太平洋担当大臣が、島嶼国は今でもすでに莫大な借款に悩んでおり、その上に返せるあてのない借款を押しつけてどうするのか、と批判した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 1月16日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙上で、フィエラバンティ=ウェルズ上院議員は、「フィジーを訪問しているモリソン首相が太平洋島嶼国にインフラストラクチャ建設資金として新たに20億ドルの長期借款を提供すると語っているが、それは借金地獄外交でしかない。借款は借款であり、いずれ返さなければならない。太平洋諸国の負債総額はすでに約55億ドルにのぼっている。そのうちアジア開発銀行と世界銀行に20億ドル、中国に15億ドル。その上にまだ借金漬けにしようとするのか? 対GDP海外負債総額が25%から90%という国々に20億ドルを新たに貸し付けても返済の見込みはない」と述べている。

 さらには、「それとも、これからますます中国のやり方に対して批判しづらくするようにする外交貿易省内の『中国同伴者』の陰謀だろうか?」などとも書いている。

 モリソン首相は、近隣諸国との密接な関係を再確認するためにバヌアツ、フィジー訪問の途中だが、その地域で海外援助や借款を含めた中国の海外活動が盛んになっており、オーストラリアと太平洋諸国との外交関係が難しくなっていた。

 シャーロット・サルワイ・バヌアツ首相と共同声明を発表したモリソン首相は、20億ドルの「Australian Infrastructure Financing Facility (AIFFP)」で、もっとも必要とされる通信、エネルギー、運輸、水道インフラストラクチャなどのプロジェクトを無償援助と長期借款で支援すると語った。

 フィエラバンティ=ウェルズ議員は、南太平洋島嶼国担任大臣を務め、「中国が南太平洋島嶼国に不要な建設プロジェクトを起こさせ、借款を与えることでこの地域に影響力を持とうとしている」と主張していたが、政府部内にいると発言できなくなるとして、2018年8月の自由党内政変の際に大臣職を辞している。

 後継者としてSA州選出のアン・ラストン上院議員が任命されたが、副大臣どまりであり、フィエラバンティ=ウェルズ議員は、「モリソン政権は南太平洋地域問題を軽視していると思われることになる」と批判していた。
■ソース
Liberal senator chastises Scott Morrison for loading South Pacific countries with additional debt

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