Styling vintage kimono in Melbourne
Wardrobe: Ziguzagu Textiles(W: ziguzagutextiles.com)
Stylist: Sala Okabe(W: salaokabe.com)
Photographer: Rina Kakioka(W: rinasmilephotography.com)
Model: 冴梨衣(Instagram: @sally_septum369)
Location: Sol Gallery(Instagram: @solgalleryspace)
2025年、新年のテーマは、1930〜50年代の着物スタイルのオマージュです。西洋文化が日常生活に浸透するにつれて、日本のファッションには大きな変化が訪れました。1930〜50年代は、伝統的な着物に洋装のエッセンスを取り入れた「モダン着物」の着こなしが広まった時代です。この新しいスタイルは、現在も私たちの目に斬新かつ独自の魅力を放っています。
直線的な構造の着物でも、身頃(みごろ)を巻く際に角度を付け、足元へ向かってシルエットを細くすることで、柔らかい曲線を生み出すことが可能です。おはしょりを短めに取り、細幅の帯をベルトのようにタイトに締めることで、更に洋装スタイルに近づけることができます。このような工夫で、モダンで洗練された印象に変身させることができるのです。
今回は、黒留袖をカクテル・パーティー仕様にアレンジ。昭和中期のオリエンタル調の大柄が印象的な黒留袖を選び、襟元にパール・ネックレスを合わせました。黒留袖は新郎新婦の母親が着るフォーマル衣装として定着していますが、本来は誰が着用しても良いもの。伝統的なスタイルに少し洋風なアクセントを加えれば、新年らしい晴れやかな装いが完成します。
80年前から既に個々のファッション・センスを表現する手段として進化し始めていた着物。現代の私たちも帯や着付けに工夫を加え、着物をより身近に、そして自分らしく楽しむことで、更に新しいキモノのスタイルへと進化させていきたいですね。
このコラムの著者
Haru
メルボルンにて自らセレクトした古布や着物を仕入れ、輸入販売。KAZARIにてテキスタイル・マネジャーを務めた後、2024年に独立しFitzroyに店を構える。Instagram: @ziguzagu_textiles