【インタビュー】「バルブの独自技術で水素設備の低コスト化に貢献」 鷹取製作所 内原淳・技術部長

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②「アジア太平洋水素サミット&展示会」出展者に聞く

内原淳・技術部長(右)と、福岡大学大学院修士課程2年生の橋口健人さん(Photo: 守屋太郎)

 水素エネルギー社会に資する取り組みやイノベーションについて、「アジア太平洋水素サミット&展示会」に出展した福岡県の産官学の関係者に話を聞いた。(聞き手:ジャーナリスト・守屋太郎)

守屋:御社の商品や技術が持つオンリーワンの強みについて教えてください。

内原氏: 鷹取製作所は、福岡県南東部・うきは市に本社を置き、主に船舶用のバルブ(弁)やストレーナ(液体などから異物をろ過・除去する装置)、自動化機器などを製造している会社です。

 今回の展示会では、低コストで劣化しない銅合金製のバルブを提案しました。水素には、金属の強度を低下させる「水素脆化」を起こすという難点があり、バルブの素材には一般的にはオーステナイト系ステンレススチールが用いられており、高価な製品となっています。

 しかし、世の中に水素を展開するには、水素の価格を低下させないといけないだけではなく、設備のコストも下げる必要があります。そこで、私たちは福岡大学と連携して研究を重ねて安価な銅合金のバルブを開発しました。700メガパスカル以上の引張強度を実現し、100メガパスカルの水素ガス使用下で水素脆化が起きないことをデータで実証しました。現在、実用化を進めています。

守屋:ご指摘の通り水素には高コストという課題がありますが、今後の展望はいかがですか?

内原氏: オーストラリアでは、水素エネルギーへの投資が復活してきています。今後、水素プラントの建設が進み、私たちのバルブを使えば低コスト化を達成できる可能性があります。その利点を提案していきたいですね。

 また、私たちはバルブに後付けできる非常にコンパクトな電動アクチュエータ(バルブの開閉などを自動で制御できる装置)も合わせて開発しています。こちらも、省人化や自動化に資する高付加価値のソリューションとして提供していきたいと考えています。

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