執筆者=森岡薫

NSW州立美術館は、2026年の展覧会プログラムを「エネルギー、創造性、そしてつながりに満ちたもの」というテーマのもと発表しました。本記事では、その中から注目の展覧会を幾つかを紹介します。
2月:若い才能が集う「ARTEXPRESS 2026」
毎年恒例の「ARTEXPRESS」は、NSW州全域の高校卒業試験(HSC)ビジュアル・アートの優秀作品を紹介する展覧会です。新たな表現に挑む若手アーティストたちの力作が並び、今年も鮮やかな幕開けとなります。
2月:自然との深い対話「スーパー・ネイチャー(Super Nature)」
同時期に開幕する「スーパー・ネイチャー」では、所蔵作品を通して人間と自然の深い結び付きを探求します。チームラボのデジタル・アート『花と人─ゴールド』も展示され、幻想的な光の世界が来館者を魅了します。
3月:第25回「シドニー・ビエンナーレ」
25回目を迎える「シドニー・ビエンナーレ」は、「リメモリー(再記憶)」をテーマに開催。国内外のアーティストによる先鋭的な作品が集まり、現代社会における記憶の再構築を問い掛けます。
5月:3大公募展が同時開催
オーストラリアを代表する3つの公募展が今年もそろって開催されます。
・アーチボルド賞(肖像画)
・ウィン賞(風景画・フィギュア彫刻)
・サルマン賞(歴史・宗教画など)
多様な視点と技法が交差する、現代絵画と彫刻の魅力を1度に味わえる貴重な機会です。

6月:壮大な神話世界へ「アヴァター:ヴィシュヌの化身」
6月からは、ヒンドゥー教の神ヴィシュヌをテーマにした大作展がスタート。南アジアと東南アジアの芸術を通じ、何世紀にもわたって語り継がれてきた壮大な物語世界へと観客を誘います。
7月:「川沿いで」「By the River」
アボリジナル・アーティストのビリー・ベインが、海と川を往来するウナギの旅路を重ね、自身の文化的帰還と記憶・土地・世代継承を表す新作展覧会です。

10月:巨匠を再発見「ノーラン:オリジンズ」
20世紀オーストラリア美術を代表するシドニー・ノーランの大規模回顧展が開幕。無法者ネッド・ケリーの象徴的な肖像や中央オーストラリアの風景を通じ、ノーランが築いた独自のビジュアル表現とその革新性を振り返ります。
子どもギャラリー:3月開幕「Sou Sou(スースー)」
ラオスのアーティスト、メシェル・ボウンプラセによる「Sou Sou」展が3月にスタート。「がんばれ!」を意味するタイトルの通り、食文化へのオマージュを込めた遊び心あふれる大型陶磁器が並び、世代を超えて創造性を共有できる空間が広がります。
NSW州立美術館は、「Art for All(全ての人にアートを)」をスローガンに、2026年も多彩なエネルギーに満ちたプログラムを展開します。詳細は公式サイトをご確認の上、ぜひ美術館へお越しください。
特別展:ロン・ミュエク展〜邂逅〜
会場:Naala Badu(北新館)地下2階
開催期間:開催中〜2026年4月12日
入場料金:大人$35(※詳細はNSW州立美術館公式サイトで要確認)
日本語ガイド・ツアー:26年2月22日〜3月29日の日曜日午前11時から。予約不要。入場券を購入の上、展覧会場入り口集合
常設展:無料日本語ハイライト・ツアー
【Naala Nura(南本館)】
毎週金曜日午前11時から。集合場所はインフォメーション・デスク前
【Naala Badu(北新館)】
毎週日曜日午後1時から。集合場所はエントランス・パビリオン

Art Gallery of NSW
ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州立美術館。南本館に加え、日本人建築家ユニットSANAAのデザインによる北新館が2022年12月に新築オープンした。常設展は入場無料。
開館時間:10AM~5PM(水曜日のみ10PMまで)。
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
日本語サイト:www.artgallery.nsw.gov.au/visit/plan-your-visit/information-in-other-languages/japanese