新しいシドニー・フィッシュ・マーケットへ行ってきたよ! ②小売店スペース拡大、広々として快適だね!

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魚の鱗と波のうねりを表現した新しいシドニー・フィッシュ・マーケットの大屋根

 オーストラリア東部シドニーのウォーターフロントに、新しい「シドニー・フィッシュ・マーケット」が開業した。オープン初日の19日、市民や観光客で賑わう未来的なデザインの新市場に行ってきた。(リポート・写真:守屋太郎)

新しいシドニー・フィッシュ・マーケットへ行ってきたよ! ①最寄り駅、駐車場の変更に注意しようね」から続く

 ライトレールのウェントワース・パーク駅を降りてしばらく歩くと、西の空に、新しいシドニー・フィッシュ・マーケットの巨大な建築物が現れる。波がうねったような純白の大屋根が、群青色の夏空にひときわ異彩を放っている。

 建物の設計は、デンマークの建築事務所「3XN」(スリー・エックス・エヌ)が手がけた。広大な大屋根を支える天然木目調の部材は、現代日本を代表する建築家・隈研吾氏の作品を彷彿させる。ただ、同氏の影響は感じられるものの、3XNが近年手がけた建築物には木質デザインが多く、サステナビリティー(環境の持続可能性)の思想を反映した世界的な建築デザインのトレンドに沿ったものとなっている。

新しいシドニー・フィッシュ・マーケットの内観。高い天井、木目調の構造物、天然の光の差し込みが、快適な空間を演出している

 3XNの最近の代表作としては、英国のリバプール美術館(2011年竣工)や、デンマーク国立水族館(2013年竣工)、スイスの国際オリンピック委員会(IOC)本部(2019年竣工)などがある。環境負荷の低減を図った設計思想で存在感を強めている。オーストラリアでは、シドニー・サーキュラキーの超高層ビル「キー・クォーター・タワー」(2022年竣工=地上216メートル、49階建て)に続き、今回が2件目の大型プロジェクトとなった。

近未来空間で新鮮な魚介類を味わえるよ

 正面の扇状の階段を2階に上り、エントランスから建物内に入る。広大なワンフロアに、鮮魚小売店7店、飲食店27店、その他の小売専門店5店舗などが入居している。ただ、一部の飲食店はオープン時点で工事中となっており、全店開業はまだ先となりそう。

 より広く、より明るくなったフロア内には、地元の日本食店御用達の「クローディオズ」(Claudio’s)、生ガキの殻割りを間近で見ることができる「クリスティーズ」(Christie’s)といった私たちに馴染み深い鮮魚店が移転したほか、飲食店を含めた店舗数は40店以上と倍増した。

鮮魚店「クリスティーズ・シーフード」の生ガキ売り場

 売り場面積は、旧市場と比べて約2割拡大したという。中央通路の両側に各店舗が配置され、動線は非常に分かりやすい。オープン当日だけに大勢の市民や観光客で賑わっているが、週末の旧市場のような、身動きが取れないほどの混雑感はない。通路の幅や店舗面積は、数字以上に広くなった印象で、快適に歩き回ることができる。

 開放感が感じられるのは、高い天井とフロアの間に設けられた広大なガラス窓から明るい自然光が差し込んでいるからだろう。広大な窓から、アンザック・ブリッジのたもとの海辺の景色や、遠くにはシドニーの高層ビル街を見渡しながら、魚を選んだり、食事をしたりできる。

 シドニーでは近年、地上271メートルと市内最高峰の超高層ビル「クラウン・シドニー」(2020年竣工)、完全自動運転の地下鉄「メトロ・シドニー・シティ&サウスウェスト」(2024年開通)の新駅など、SF映画を実体化したような建築物が相次いで出現している。これらに続いてオープンした新しい魚市場は、世界でも最新の建築トレンドの近未来空間を体験しつつ、新鮮な美味しい魚介類を味わえる、オーストラリアでいま最注目のスポットであることは間違いない。次の週末、ぜひ訪れてみては?

新しいシドニー・フィッシュ・マーケットへ行ってきたよ! ③南半球最大の魚市場は美食の宝庫だね!」へ続く

◼️Sydney Fish Market

1 Bridge Rd., Glebe NSW 2037

Web: www.sydneyfishmarket.com.au

営業時間(一般向け):日〜木7AM-10PM、金・土7AM-0AM(それぞれの小売店・飲食店の営業時間は異なる)

□アクセス

Sydney Light Rail: L1 Dulwich Hill Line Wentworth Park stop

Bus: 389(Bondi Junction to Pyrmont), 501(Paramatta to Central Pitt Street via Victoria Road and Pyrmont)

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