「良いニュースが悪いニュース」なのはなぜ? 5月の追加利上げ濃厚に! オーストラリア生活者に逆風

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1月の失業率4.1% 就業者数1万7,800人増

 オーストラリアでは、直近の雇用統計で労働市場が依然としてタイト(仕事の需要に対して労働力の供給が追いついていないこと)であることが再確認されたため、中央銀行が5月に追加利上げを行うとの観測が強まっている。失業率が低水準で推移し、仕事がすぐに見つかること自体は朗報だ。しかし、労働市場の力強さは景気を過熱させ、モノやサービスの価格を押し上げる要因となる。再燃しているインフレ圧力を抑え込むため中銀が利上げを繰り返せば、企業の資金調達コストが増え、住宅ローン金利も上昇するため、オーストラリア生活者にとっては逆風となる。

 豪統計局(ABS)が19日発表した2026年1月の雇用統計によると、失業率は4.1%(季節調整済み)と25年12月と変わらなかった。就業者数は前月比で1万7,800人増え、失業者数は1,900人減少した。労働参加率(15歳以上の生産年齢人口に占める労働力人口の割合)は66.7%と前月と同じだった。

 失業率は、コロナ禍明け22年後半に3.5%まで低下した後、緩やかに上昇。24年以降は4%台で推移しているが、歴史的に見ると記録的な低水準が続いている。

オーストラリアの過去10年間の失業率の推移(紺色は季節調整済み、水色はトレンド値)(出典:豪統計局雇用統計)

最短で3月の追加利上げも想定内!?

 市場は労働需給の力強さが再確認されたと認識しており、中央銀行・豪準備銀(RBA)が5月の会合で追加利上げを行うとの見方を強めている。

 コモンウェルス銀調査部は19日、短信リポートで次のように指摘した。

「失業率は私たちが予測していた4.2%を下回った。労働市場が依然として少しタイトであることを示している。その勢いは当初の予想よりもやや力強い。RBAが5月に追加利上げを行い、その後も利上げを続けるとの私たちの観測が、より確かなものとなった」

 大手会計事務所BDOオーストラリアのアンダース・マグナソン主席エコノミストも、公共放送ABCにこう述べた。

「今日の(雇用統計の)発表まで、市場は次の利上げが今年後半になると見ていたが、失業率が4.1%の低水準を維持していることが確認され、こうしたタイミングは楽観的なものとなった。5月利上げの可能性が高まり、最短で3月の利上げもあり得るだろう」

 RBAは25年、0.25ポイントの利下げを3回行った。しかし、ここにきてインフレ圧力が再燃していることから、今年2月に0.25ポイントの利上げに踏み切り、政策金利を3.85%としている。

 オーストラリアでは、全世帯の約3分の1が住宅ローン支払い中。そのほとんどが金利変動型ローンであるため、利上げは月々の返済額の増加に直結する。住宅ローン金利が政策金利に連動して0.25ポイント上昇すれば、標準的なケースで1カ月当たり約90豪ドルの負担増になるとされる。

◼️ソース

Unemployment rate remains at 4.1%(ABS)

Labour Force, Australia(ABS)

Market updates: Unemployment steady, ASX follows Wall St higher, energy stocks bounce on oil spike(ABC News)

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