国旗同様に著作権消滅させ公有財産化
1月24日午後、豪連邦政府は、上半分が黒、下半分が赤、中央に黄色の円を描いたアボリジニ旗の著作権を著作権者から買い取り、パブリック・ドメイン(公有財産)とすることを明らかにした。
1月24日付ABC放送(電子版)が伝えた。
同旗のデザインは著作権者であるルリジャ・グループのハロルド・トーマス氏が独占的使用権を民間企業に売り与えていたため、アボリジニの運動など一部を除き、アボリジニ旗デザインの利用はできなかったが、パブリック・ドメインになれば、一般の国旗同様、原則的に商業利用を含めてそのデザインを自由に使うことができるようになる。また、誰も同デザインに著作権を設定できなくなる。
1970年、トーマス氏は、アボリジニの人々と、アボリジニの人々が持つ土地とのつながりを象徴する旗のデザインを制作発表しており、2000年以来公式の国旗に準ずる旗とされてきたが著作権はトーマス氏に帰属したままで、旗のデザインを用いる場合には、法的には許可を得るか、著作権使用料を払わなければならなかった。ただし、現実にはアボリジニの運動など非営利のデザイン使用は黙認されていた。連邦政府との交渉が成立した現在、「旗は改変を加えず、制限なく、誇りを持って掲揚することが望ましい。この旗を敬意と誇りを持って使ってもらいたい」と語っている。
また、連邦政府は、トーマス氏の提案に対して、スカラーシップその他いくつかの制度を設けることで応えると発表している。
連邦政府のケン・ワイアット先住民族担当相は、「連邦政府とトーマス氏の交渉が成立し、アボリジニ旗は全国民のものになった。過去50年間、私達はハロルド・トーマスの作品を私達のシンボルとして、その旗を掲げて行進し、旗を掲げて立ち、アボリジニの誇りの象徴として高く掲げてきた。著作権が連邦に帰属するようになった今、すべての人のものであり、何人も奪うことはできない」と語っている。
トーマス氏がこの旗のデザインの使用権を非先住民族企業に貸し与えた時には、その企業がNRL、AFLのプレヤーのユニフォームにアボリジニ旗デザインを使用することに対して法的措置をちらつかせ、ワイアット議員が、抗議の印としてフットボール・ファンがアボリジニ旗をまとって観戦することを呼びかけるできごともあった。
1月25日、モリソン連邦首相は、「この旗のデザインを誰でも自由に使うことができるようになるが、常に敬意と尊厳をもって扱わなければならない」と語っている。
■ソース
Aboriginal flag copyright transferred to Commonwealth, as artist agrees to make flag freely available to all