ドローイング展

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NSW州立美術館
ボランティアガイド便り
ドローイング展
“Real Worlds: Dobell Australian Drawing Biennial 2020”

 NSW州立美術館の地下2階、「アーサー・ストリートン回顧展」が開催されている会場の隣では、無料のドローイング展「Real Worlds: Dobell Australian Drawing Biennial 2020」が開催されています。
Arthur Streeton Land of the Golden Fleece1926 oil on canvas, 92.3 x 146 cm Private collection, Sydney Photo: Jenni Carter, AGNSWArthur Streeton Land of the Golden Fleece1926 oil on canvas, 92.3 x 146 cm Private collection, Sydney Photo: Jenni Carter, AGNSW

 ここには、8人のオーストラリア人現代アーティストのドローイング作品が並んでいます。ほとんどが、紙に鉛筆やインク、水彩絵具、パステルなどを使って描かれた作品です。

 インクの滲みを使い、墨絵のようにも見えるアボリジナル・アート4連作や、10メートル以上の大画面に、一見幻想的で幾何学的な世界が描かれているように見える作品などが展示されています。

 この大画面の作品は、75枚の紙にインクで描かれているもので、離れてみるとつながった画面にアーティストの幼少期、1980年代に大人気だったアニメ“Transformer”がフェンスを打ち壊す姿や、米国雑誌の人気キャラクターなどが浮き上がって見えてきます。

 本展は、ドベル・ドローイング賞の流れでオーストラリアの画家ウィリアム・ドベル卿財団の支援により、2014年から隔年でAustralian Drawing Biennialとして開催されるキュレーター監修によるドローイング展です。毎回違うキュレーターによって開催され、今回のタイトルは「リアル・ワールド」です。なお、NSW美術館は、各回の展示作品の中からコレクションを購入しています。

 次回2月号では、2021年の年間展覧会スケジュールをご案内予定です。今年もNSW州立美術館への皆様のお越しをお待ちしています。

(執筆者=鴨粕弘美・コミュニティー・アンバサダー)


NSW州立美術館

オーストラリアの主要な美術館の1つで毎年約100万人が訪れる。オーストラリアとアボリジナル・アート、現代アート、ヨーロッパやアジアからのコレクションを持つ。市内の中心から徒歩約15分のシドニー・ハーバーを臨む立地。日本語を含むアジア言語のボランティア・ガイドもおり、本連載は同館の日本人ガイドが執筆を担当している。

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