書家れんのつきいち年中行事
第148回 歳神様
ご機嫌いかがですか、れんです。
新年明けましておめでとうございます。旧年中は何かとご教授賜りまして誠にありがとうございました。本年も変わらずご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回は、改めて「正月」について考えてみようと思います。正月はもちろん年の始まりの1月のことですが、それに際して「歳神様」を各家に迎える重要な行事であり、儀式です。このための準備として、年末に大掃除をして家中を奇麗にし、穢けがれのない清浄な場所の証拠として結界である注しめなわ連縄を取り付けます。歳神様の来訪の際に目印となる門松や松飾りを配置し、直前の年の収穫(米)でついた鏡餅を供えます。そして元旦には家族や親戚が一堂に集まり、正装をして歳棚(正月用の神棚)に祈ります。
この歳神様は山から下りてくる五ごこくほうじょう穀豊穣の農耕の神、田の神ですが、民間信仰では山にはご先祖様の霊がいると考えられていたので、双方が同一視されていったようです。つまり正月は夏の「お盆」と対応する先祖の慰霊の行事でした。仏教の強い影響で、お盆が盂うらぼんえ蘭盆会と習合した先祖供養の行事となると、正月は歳神様を迎えて1年の無病息災を願う「神祭り」と新年の祝いの行事に変化していったようです。
1月1日を「元日」と言い、その朝が「元旦」です。「旦」は太陽が地平線もしくは水平線から昇ってきた様子です。ですから1月1日も夕刻になれば「元日」ではありますが「元旦」ではありません。念のため。
このコラムの著者
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品「ふるさと」が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。新元号「令和」揮毫(総領事館蔵)。豪五輪委員会で応援大書。書道教室運営。LINE stamp販売中。
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