オーストラリア不動産の現状
豪州不動産今後の見通しと市場動向
豪ヤフー・ファイナンスJessica Yun氏によれば、2021年2月の豪州の不動産価格は過去17年間で最速、しかも各都心と地方が一斉に上昇し、「豪州不動産にブーム期が到来した」とのこと。実際、シドニーの戸建住宅価格は昨年12月からの四半期で4.8%と高い伸びを記録。「NewRealestate.com.au」によると、シドニーの10地域では現在、戸建住宅の平均値が3ミリオン豪ドル以上に達し、またCOVID19を経てリモート・ワークという生活様式が認められ、郊外の戸建住宅の需要も高まっています。
これらはCOVID19の影響による価格低迷とそのⅤ字回復の表れの一端とも見られますが、今後、国境が通常に開かれて他国からの人口流入も始まると、住宅の需要は更に増え、住宅価格に更なる影響を及ぼすことも予想されます。
なぜ豪州は不動産価格は上昇し続ける?
「豪州不動産も日本のバブルようにいつの日にか凋落する」という意見もありましたが、その様子が一向に見られない豪州と日本の不動産市場の違いは何なのかを考察してみましょう。
まず、マクロトレンド分析によると、21年の日本の人口増加率は-0.34%である一方、豪州は1.13%と、海外からの流入がない時期でも自然増加によって死亡者数よりも出生数が上回っている状態、つまりその分だけ住居が必要になる「人口増→需要増」の状況です。
また、21年2月発表の豪州政府報告によれば、豪州全体の平均収入は20年11月より3.2%増の年間8万9,247豪ドル。為替を考慮に入れても日本と比較すると高水準と言えます。
日本にはない資産価値
豪州の不動産を熱望する国際投資家が多く存在することも考察の一つの材料です。将来を見据えた不労収入源として、需要が高く暮らしやすさにも定評のある豪州の不動産を、資産として保有を希望する諸外国や日本の多くの投資家が、その動向に注目しているのです。
木造建築が多い日本では、不動産価値は経年と共に減額。新築のうちは高値での賃貸が期待できても、中古になればなるほど競争的な借り手市場となり、更には空室率の状況にも大きな差があり、2%台という豪州に比べ、日本での空室率は22.7%(日本管理センター公表)。資産価値を考えた時、比較対象として同じ土俵で考えるのは難しいと言えるでしょう。
未来志向の投資家らが保有を熱望する豪州不動産の魅力が、ここに来て際立っています。
このコラムの著者
鶴美枝
グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持