クイーンズランド州の釣り情報 第166回
夏はキス釣りのシーズン!
オーストラリア全土には10種類以上のキスが生息していて、大陸南部の南オーストラリア州や西オーストラリア州には全長が70センチ以上にもなる世界最大種のキングジョージ・ホワイティングが有名です。
クイーンズランド(QLD)州では40センチ以上のサンド・ホワイティングと、背中に少し黒っぽい模様があるトランペッター・ホワイティングの2種類が多く、前者は夏によく釣れるのでサマー・ホワイティング、後者はやや水温が低い時期によく釣れるのでウインター・ホワイティングの名称で親しまれています。これからの季節には、サマー・ホワイティングが浅瀬を回遊して活発に餌を探していますので、やや大きめなキスが比較的簡単に狙えます。
外洋の海岸のキスたちは波で洗われて、海底のゴカイや甲殻類などの餌が砂と一緒に舞い上がるような浅い波打ち際にいます。狙い目は波打ち際の波で茶色く見える場所のちょっと先。日本のキス釣りのように100メートル以上も遠投する必要はなく、ほんの20~30メートルだけ投げて狙うのがコツです。
内海では水深が数センチしかない浅い場所にいる餌を狙っていることが多く、釣りのポイントは深い場所ではなく水深が30センチ以上もあれば十分です。ただ、浅い場所では細いラインを使用した繊細な仕掛けが有利になります。
釣り餌は、外洋ではビーチ・ワームというゴカイやピピというアサリのむき身が最適ですが、冷凍エビのむき身やイカの足などでも代用できます。内海ではヤビーというシャコに似たアナジャコやブロッド・ワームというゴカイがあれば最高なのですが、同じくエビのむき身などでも代用できます。最近はポッパーやペンシルと呼ばれる水面でアクションするトップウォーター・ルアーで狙うゲーム・フィッシングもはやりです。
なお、QLD州ではサンド・ホワイティングは全長が23センチ以上のものを30匹までという遊漁規定がありますのでご注意ください。
このコラムの著者
フィッシング・ライター:金園 泰秀
東京のIT関連会社のシドニー駐在中、オーストラリアの大自然に魅せられ役員職のサラリーマンから一転スピンアウトし、子供の頃からの趣味だった釣り
業界の世界に飛び込み、日本の釣り技術の紹介や当地の釣りを全世界に発信してきた。現在は趣味としての釣りやセーリングも楽しんでいる。