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法律相談室/法律用語に関するガイド

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知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第54回 法律用語に関するガイド

最近調べたものの中に「ノモフォビア(nomophobia)」という単語を目にしました。

「ノモフォビア」は昨年、ケンブリッジ英語辞典の「今年のワード」に選ばれたそうですが、皆さんはこの新語を聞いたことがありますか?「ノモフォビア」とはスマホ依存症のことを意味します。私たちの多くはスマホ依存症については認識していても、それを示す「ノモフォビア」という単語があることを知らないこともあります。

法律は複雑な上、英語も難しい……。このような込み入った状況にどのように対応すべきでしょうか?法律の専門家ほど、専門用語を頻繁に発する専門家は他にいないと思います。

私たちを取り巻く法律は、その歴史的な成り立ちのせいでしばしば複雑な単語やフレーズが使用され、とにかく難解という印象を与えがちです。オーストラリアの慣習法制度はイギリス法を受け継いでいます。1700年代後半、イギリスの植民地だったオーストラリアはイギリス法によって統治されていました。イギリス法のルーツは、1066年ノルマン征服の時代までさかのぼるので、幾つかの法律用語が非常に古風な言い回しなのは当然のことです。

時が経つにつれ、幾つかの単語は常に間違って使われ、誰も使いたがらなくなりました。言葉というのは、例えば「断続的」(途切れ途切れ)や「継続的」(途切れず)などのように、それらの単語が似ているため誤って使用されがちです。

法律の複雑性は幅広いトピックをカバーする法的書類に起因するとも言えます。例えば、契約書は幾つかの主要ポイントにぶら下がる幾つものサブポイントだらけで構成されています。二者が同意した内容を記録することを目的に作成されるのが契約書ですが、書類作成者の技能によっては皮肉にもその目的を大きく外れ、不明確で分かりにくい契約書になってしまうことがあります。

15年ほど前から、法的書類には「難解な言い回しを避けて簡単な英語を使用しよう」という動きが国際的に広まっています。こうした動きは当たり前のことのように思われますが、ある程度認識されるようになるまでに数年間を要しました。現在は、大学で研究対象にもなっているほどです。

英語が母国語でない人が訴訟に加わる場合、これ以上の難関が待ち受けています。言葉の壁でオーストラリアでの訴訟手続きが不利になることがないよう、適切な弁護人を選んで言葉の面でも協力してもらいましょう。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として25年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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