Education Systems Q&A AUS教育システムのしくみ
日本とは異なる教育システムに戸惑うママ&パパの疑問・質問に専門家がズバリお答えします。
「どうしても幼稚園に慣れません」
Q: 幼稚園に通う子どもがいます。在豪2年になりますが、子どもは英語より圧倒的に日本語が強い状態です。今年からプリスクールに通い始めましたものの、1学期が終わってもまだなじむことができず、家を出る時から毎回行くのを泣いて嫌がります。せっかく入園させたので頑張って行かせたいですし、ママ友もそのうち慣れると言うのですが、このまま続けた方が良いのでしょうか?
お子さんが別れ際に泣くと、お母さんもつらいですね。
プリスクールの先生は子どもの対応に慣れていますので、大丈夫とおっしゃっていることと思います。まずは、先生にお子さんの様子を聞いてみましょう。家族とバイバイしてから少し経って泣き止み、そのあと他のお子さんと過ごせるようであれば大丈夫です。でも保育中ずっと泣いていたり、何週間経っても泣き止まない、行きたがらない、ご飯を食べない……。こんな様子が見られるなら、少し考えた方が良いかもしれません。
先生が大丈夫と言ったらたいていは大丈夫なことが多いですが、まれにダメなお子さんもいるものです。そういう場合は、無理せずいったん、園をお休みすることを考えるのも、後々に精神的なダメージを残さないためには必要なことかもしれません。いずれは小学校に行くことになるので、それまでプレイ・グループやお稽古事でカバーするのも1つの方法です。そこで、ある程度自信を付けて精神的にも成長したら、また挑戦してみたらいいと思います。
これからプリスクールやデイ・ケアに通い始める人には、正式に始める前に慣らし保育のように少しずつ保育時間を伸ばしていくオリエンテーションがあり、入園にあたり園から勧められるはずです。もし園に勧められていないようでしたら、スタッフに確認してみてください。
最近、デイ・ケア、プリスクールに日本人の先生も増えてきましたが、日本人の先生がいない場合は子どもがよく使う日本語のキーワードを園の先生に渡して使ってもらうようにお願いしてみましょう。自分の知っている言葉を耳にしたらお子さんは安心できます。
いずれにしても、お子さんをよく見て、無理のないようにしてくださいね。
内野尚子(うちのなおこ)
96年よりシドニー在住。11年間ローカルの幼児教育機関で教師「Authorized Supervisor」を務める。元日本語補習校代表兼教師。幼児から大人のための学習教室「Universal Kids」代表。「Universal Kids」やNPO日豪教育サポート・グループを通して、在豪日本人のための現地教育のシステムや、バイリンガルなどの教育の情報共有に努めている