不動産のプロに聞く 豪州不動産事情
第85回
今月の不動産の見通し(2019年7月)
オーストラリア統計局(The Australian Bureau of Statistics)の発表によると、4月のモーゲージが承認された数が、2018年同時期から19%下降しました。
下落の要因は、投資家の数が27%下降したことが挙げられます。
月ごとの変動を見ると、同年10月以降は、下降率に回復が見られており、半年後には、モーゲージ承認数が上昇する可能性も見えてきました。
ニュー・サウス・ウェールズ州を例に見ると、19年4月のモーゲージ承認数は、18年12月比5.7%減、昨年同時期比23%減、17年2月比45%減となっています。
自己所有のために借りている物件のモーゲージ数は17年8月に比べ20%減でしたが、モーゲージを使われた数も23%減となりました。モーゲージの平均数自体は下降しておらず、17年8月にニュー・サウス・ウェールズ州における自己所有のためにモーゲージを借りている物件の大きさの平均が45万7,079ドルだったのに対し、19年4月には47万9,437となり、5%増という結果となりました。
住宅価格は今後半年間、依然として大きな回復は期待されていませんが、今月「The Reserve Bank」が金利を下げたことが今後どのように影響していくかも注目すべき点となります。
月ごとのモーゲージ承認数の推移については、下記図表をご参照ください。
スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州、VIC州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持