クイーンズランド州の釣り情報
フィッシング・ライター:金園泰秀(YASU=ブリスベン在住)
第157回
鯨の季節と外洋の深場釣り
東部沿岸を北から南に流れる強い暖流が少しずつ穏やかになってくる秋から冬にかけては、鯨が南極方面から北に向かって移動を始めます。このホエール・ウォッチングの季節が、外洋の深場釣りのベスト・シーズンになります。
潮の流れが速い季節は釣り船も潮の影響で流されてしまい、思うように深い場所の釣りポイントを攻めることができませんが、潮の流れが緩む季節になると狙った釣りポイントに仕掛けを送り込むことができるようになります。
超が付くほど深い釣りポイントの例として、QLD州沖では水深300メートル前後の大陸棚やシドニー沖では水深600メートル前後のブラウンズ・マウンテンと呼ばれる根がありますが、こういった所の魚を狙うことも可能になります。ただ150メートル以上のポイントで釣るには手動のリールでは限界があり、最近普及してきた電動リールを使っての釣りになるので、まだ一般的ではありません。
深場のポイントといわれる水深60メートル~120メートルでは、ゲーム・フィッシュと呼ばれるキングフィッシュ(ヒラマサ)、アンバージャック(カンパチ)などの他に、大型のマダイや食味の良さで大人気のパール・パーチ(マツバダイ)などのおいしい魚が手軽に狙えるようになります。ちょうどこの季節はマダイなどを含め多くの魚の産卵や、その準備期間に当たるので魚たちも荒食いして比較的簡単に大物を釣るチャンスに恵まれます。
また、風が吹き始める春や初夏前の今の季節は、海上も凪(なぎ)の日が多くなり、遠くのポイントまで行くことができるので、途中で鯨と遭遇するチャンスも高確率であることでしょう。
ゴールドコーストやブリスベン、サンシャイン・コーストなどの港から外洋の深場を狙う乗り合い船(人数が集まったら出船するシステム)が出ていますので、チャンスがあればこの機会に釣行されてみてはいかがでしょうか。初心者向けに道具や昼食など全て料金に含まれていることが多いようです。なお、ジギング釣りは自分たちで道具を持参しての貸し切りチャーターになるので初心者向けとは言えません。
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