Education Systems Q&A AUS教育システムのしくみ
日本とは異なる教育システムに戸惑うママ&パパの疑問・質問に専門家がズバリお答えします。
キンディーへの入学時期
Q: シドニー在住です。2020年3月に5歳になる子どもがいます。来年はキンディー(小学校)に入学できるのですが、遅らせようかどうしようか迷っています。
毎年後半になると、このような質問をたくさん頂きます。
NSW州教育庁のサイトを見ると、2019年8月1日から20年7月31日生まれまでのお子さんは、一応規定では20年度入学ということになっています。しかし、20年3月以降に生まれたお子さんでまだ時期尚早と思われる場合は、1年遅らせて入学ということができないわけではありません。
今まで見てきたケースでは、2月の入学時に4歳だったお子さんたちの場合、もう1年キンディーに留まらなければいけなかったり、外部の塾などで補習を受けるよう指示されたりするケースが毎年見られるのに対し、1年遅らせたお子さんたちの場合では、先生からの懸念もなく、ほぼ全員の保護者が安心して学校に送ることができ、「遅らせて良かった」と述べています。
選ぶことができるとなると親としては悩んでしまいますが、一番良いのは、現在お子さんが通っているデイケアまたはプリスクールの担当の先生に相談することでしょう。
入学準備ができているか、一番のポイントは精神的な面を含めた下記のような事です。
- デイケアやプリスクールなどで、朝、お母さんからスムーズに離れられますか?
- 困った時に自分で助けを求めることができますか?(先生を呼ぶだけでも良い)
- トイレや水が欲しいなど簡単な欲求を表すことができますか?
- 先生の簡単な指示に従うことができますか?
入学直前にキンディー対象のアセスメントがありますが、それは教師が生徒たちの入学時点での状態を見て、その後のカリキュラムに生かすためなので、準備をする必要は全くありません。アセスメントと聞くと事前に練習した方が良いと思う人も多いと思いますが、お子さんの実力を把握してもらった方がお子さんにとって良いのです。
また、親ができる準備としては、以下のような事が挙げられます。
- 学校のオリエンテーションに参加し、学校の雰囲気やトイレなどに慣れておく。
- アレルギーやその他、特別なケアが必要な人は学校に相談しておく。
- 1カ月前くらいから、登校時間に合わせて起きる習慣を付ける。
- 緊急のための連絡先やビフォー/アフター・スクール・ケアを利用する人は事前に調べておく。
その他、教育庁サイトの日本語のチェック・リストも参考にしてください。
■Kindergarten入学についての保護者向け案内
Web: schoolsequella.det.nsw.edu.au/file/8f202023-57ab-4d2f-9577-a2964be282b3/1/time-to-start-school-japanese.pdf
内野尚子(うちのなおこ)
1996年よりシドニー在住。11年間ローカルの幼児教育機関で教師と「Authorized Supervisor」を務める。元NSW日本語補習校代表兼教師。幼児から大人のための「Universal Kids」代表(Web: universalkids.com.au)。2019年4月、4カ国の専門家と「日本語継承アカデミー」を設立。保護者・教育従事者のためのオンライン・クラスや育児・教育のコンサルタント、セミナーの開催を行っている。
■Blog: ameblo.jp/nijinokakehashi-2019