執筆者=ファーズみどり/日本語ガイド
今年の見どころは? 第23回シドニー・ビエンナーレ
(6月13日まで開催中)
23回目を迎えるシドニー・ビエンナーレは日本を含む33カ国から89組の現代芸術家やグループが参加し、330点以上の作品が展示される大規模な展覧会です。今年のタイトルは「rīvus」。これは“ Stream(流れ)”を意味するラテン語で、生態系のつながりと断絶を探り考察するテーマのアートを紹介し、環境改善を訴えています。
会場の1つ、NSW州立美術館の入り口には2人の英国人Ackroyd & Harveyによる環境活動家2人の肖像画が掛かっています。どちらもオーストラリアの植物を種から育てて作られた作品です。
エントランス・ホール受付の真向かいの壁には、Barkandji族の長老であるBadger Batesの版画を拡大して作られた、巨大な壁紙が貼られています。干上がった湖には骨になった魚が残り、自然への責任を問い掛けています。
ベルギーの環境芸術家で活動家だったNaziha Mestaouiは若くして亡くなりましたが、彼女の植林活動のプロジェクトは現在も続いています。彼女の「One Beat One Tree」という作品は、2015年パリの国連気候会議で最初に紹介されました。鑑賞者が自分の体を動かしてデジタルの木を育てると本物の木が1本植樹されます。
ビエンナーレの日本語ツアーの予定はありませんが、アーチボルド展(5月14日~8月28日)の日本語ツアーは6月から10週間にわたり、毎週日曜日午後1時から行われる予定です。
■23rd Biennale of Sydney
Web: www.biennaleofsydney.art
Art Gallery of NSW
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館。常設展入場無料。本連載は美術館の日本語ボランティア・ガイドが担当。
「件名:Japanese Tour」でEメールでの日本語での問い合わせ可。
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
Email: volunteerg@ag.nsw.gov.au