脇道 ── Side Streets of Tokyo
Through the Camera Lens of Nao Ashidachi
写真家・足達奈穂が切り取る東京の風景、そして込められた思いをつづる
取り壊しが始まる直前の中銀カプセルタワービル。
駆け込みで行ったらやはり名残惜しく眺めている方々がたくさん。
今やこのビルが建つ風景はなくなりました。
1970年代に建ってから何十年もの間、周りの同じコンクリート仲間とはなじむことなく、現代でもなお二度見三度見される出立ち。
無機質な風景の中に存在する強烈な違和感が日常をフッと忘れさせてくれるようで、大好きな建物の1つでした。
バラバラに取り外されたカプセルはいろいろな場所で大事に再利用されて行くとのこと。日本のどこかでまた再開できることを願って。
このコラムの著者
足達奈穂 Nao Ashidachi
ドイツ生まれ。幼少時代の多くを海外で過ごし、結婚後は夫の海外赴任に伴い2018年から21年初頭までシドニーに在住。14年ごろから東京のストリート・スナップを撮り始め、写真家デビュー。東京の街を舞台にした写真集『boys in tokyo sentimental』を刊行中。現在、東京メトロ×AND STORYの地下鉄車内用広告写真を手掛けている。
WEB: www.naoashidachi.com