Styling vintage kimono in Melbourne
薄物の着物─きもの日和
Wardrobe: Kazari + Ziguzagu (W: kazari.com.au)
Stylist: Sala Okabe(W: salaokabe.com)
Photographer: Rina Kakioka(W: rinasmilephotography.com)
Model: Kanoko
1年で最も暑い盛夏の時期には、薄物と呼ばれる着物の出番です。薄物とは、単衣と同じで裏地がなく、透け感のある生地の着物のことを指し、代表的な物に、絽ろ や紗といった絹織物や、上布と呼ばれる麻織物があります。
薄物は透ける素材のため、中に着る長ながじゅばん襦袢の色に気を付けたり、サイズを着物とぴったり合わせなくてはなりません。
普段よりひと手間掛かるのですが、少しよそ行きのお出掛けであれば、カジュアルな浴衣というわけにはいきません。新年を祝うパーティーなどの機会が増えるこの時期に、薄物を着こなしてお出掛けしてみてはいかがでしょうか。
今回は黒地に赤の流水模様が織られた紗の着物コーディネートをご紹介します。
夏の着物でありながら、濃い色の物が意外と多い紗の着物。あえて濃い色を選んで透け感を楽しんだり、白地の帯などを合わせてコントラストで涼しく見せることもできます。
夏の着物にはやはり帯や小物も夏仕様で合わせます。今回は絽と呼ばれるこれまた透け感のある軽い生地の帯を合わせました。
芝草にコオロギが描かれており、季節を先取りした秋の模様。一般的に秋の模様の着物や帯は、涼しくなる秋を待ち望んで、暑い夏に身に着けるのが定番です。
四季が感じられる素材や柄を楽しむコーディネートは着物ならではのお洒落に欠かせません。
Columnist
Haru
創業1979年、メルボルンで日本の古い家具や陶器、着物、古布などを輸入販売する「Kazari + Ziguzagu」にてテキスタイル仕入れ担当兼マネジャーを務める。Instagram: @ziguzagu_textiles