北館タンク・ギャラリーで開催中(7月16日まで)
執筆者=吉澤なほみ/日本語ガイド
壮大なサイトスペシフィック・インスタレーションで国際的に活躍するアドリアン・ビジャール・ロハス(Adrián Villar Rojas、1980年〜、アルゼンチン・ロサリオ生まれ)の新プロジェクト「The End of Imagination」展が、北館最下層のタンク・ギャラリーで開催中です。
タンク・ギャラリーは第2次世界大戦で使用後、忘れ去られていた燃料タンクを再利用したユニークなアート・スペース。北館建設の調査中に隠れたシドニーの宝として再認識され、多様な可能性を持つ独特なインスタレーション空間に生まれ変わり公開されています。
2018年にロハスが初めて訪れたタンクはまだ一部が浸水し、油で汚れた壁とコンクリートの柱が林立する広大で暗い空間でした。ロハスはこの空間自体が紛争と物質的変化の記録であるとして、蓄積を複雑なオブジェの仮想の世界で暗示しながら、人類の可能性や消滅をめぐる脆弱性に迫ります。
タンクの地下の暗闇の中で動く光や点滅する光が、時に巨大な彫刻を照らします。ロハスの構築した「想像の果て」に広がる幻想的な世界。ぜひ知覚アートを体験しに来て下さい。
【日本語ツアー(5・6月)のお知らせ】
南館(本館)ハイライト・ツアー:毎週金曜日午前11時/ 南館ウエルカム・デスク前集合
北館(新館)ハイライト・ツアー:毎週日曜日午後1時/北館正面玄関入口付近集合
※所要時間45分、参加費無料、予約不要
Art Gallery of NSW
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館。常設展入場無料。本連載は美術館の日本語ボランティア・ガイドが担当。「件名:Japanese Tour」でEメールでの日本語での問い合わせ可。
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
Email: volunteerg@ag.nsw.gov.au