Styling vintage kimono in Melbourne
Wardrobe: Kazari + Ziguzagu (W: kazari.com.au)
Stylist: Sala Okabe (W: salaokabe.com)
Photographer: Rina Kakioka (W: rinasmilephotography.com)
Model: Misato(Instagram @mstykmt127)
肌寒い日が続く今節、和装のアウターとして重宝するのが羽織です。羽織は今では誰もが着用できるアイテムですが、昔は限られた男性のみ着用することが認められた制限のある衣服でした。
羽織の歴史の始まりは戦国時代にまでさかのぼります。そのころは有力な戦国武将がさまざまな柄の陣羽織を防寒着として着用する、いわば戦闘服のような存在でした。その後、江戸時代初期に袴と組み合わせた「羽織袴」が様式化し、武士には日常着、町人には礼服となっていきます。時が経ち、江戸中期には、男性を真似た着物に長羽織を合わせたスタイルが深川芸者の間で流行します。
当時、ファッション・リーダー的存在だった芸者から徐々に庶民の女性の間にも広まり、昭和には着物に羽織を合わせたスタイルが主婦を中心に大流行。そして現代も、和装愛好家の間で重要なファッション・アイテムとして存在し続けています。
そんな羽織を現代風なセンスでスタイリングしてみました。合わせたのはエッジの効いた黒と赤茶色のジオメトリックな模様の長着(着物)。短めに着付けてその裾からプリーツ・スカートをのぞかせます。そこにアクセントとなるポイント柄の黒の名古屋帯を締めて全体を引き締めます。
足もとはドクターマーチンの革靴を合わせ、大胆な竹の模様が描かれたアンティーク長羽織を重ね、クールなストリート・スタイルに仕上げました。
普段のスタイルに羽織をプラス、皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。
このコラムの著者
Sala Okabe
着物の着付け、スタイリング、着物レンタル及び販売をする着物スタイリスト。インスタグラムなどで新しい着物スタイルの提案や海外で着物を楽しむアイデアを紹介している。Instagram: @kimono_salaokabe