ご機嫌いかがですか、れんです。
毎年7月第3金・土・日曜日に、福岡県北九州市の小倉城内で、八坂神社の例大祭である小倉祇園太鼓が開催されます(国指定重要無形文化財)。
小倉城を築城した細川忠興が、城下の無病息災と城下繁栄を祈願して、京都の八坂神社の祇園祭を模して1617年に能行事の形で始めて以来、400年以上の伝統があります。小倉藩の初代藩主であり、肥後細川家の初代である忠興公は、元内閣総理大臣・細川護熙氏のご先祖様です(護熙氏は17代当主)。
その後、藩主は小笠原家に代わりますが祇園祭は続きます。2代藩主の忠雄(ただかつ)の時に江戸の神田祭・山王祭の囃方(はやしかた)からヒントを得て太鼓が導入されました。「関の先帝 小倉の祇園 雨が降らねば金が降る」と言われ、この両祭は雨になることも多いけれど、晴れれば海路陸路で他国からも多くの集客があり、町全体が商売繁盛していたようです(先帝祭は下関の祭り)。
当時は神輿、飾り山、踊り車、笠鉾(かさほこ)の巡行で、太鼓は前後から六尺棒で担いで歩きながら打っていました。その祭りの様式が変化を余儀なくされたのは幕末の長州戦争の時。親藩である小笠原氏は幕府側で長州と戦い、破れます。この戦いで城下町は疲弊し、祭りの古式は失われます。
山車に太鼓を載せる形になったのは明治末になってからです。昭和になって映画『無法松の一生』で太鼓の両面暴れ打ちが披露され、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、小倉祇園太鼓は一躍世界中に知られることになりました。
このコラムの著者
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINEスタンプ販売中。
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