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「ディスインフレ」は良いニュース!? オーストラリア6月期CPIは6.0%上昇、2期連続で減速

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サービス物価の上昇率がモノを上回る

 オーストラリアの激しいインフレが峠を超えて沈静化してきていることが、オーストラリア統計局(ABS)が26日発表した四半期の物価統計で改めて鮮明になった。

オーストラリアの消費者物価指数(CPI総合)の推移(出典:オーストラリア統計局)

 これによると、4〜6月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比6.0%だった。2022年10〜12月期に7.8%でピークを打った後、1〜3月期(7.0%)に続いてスローダウンした。中央銀行の豪準備銀(RBA)のインフレ目標「2〜3%」よりはまだ高水準にあるものの、昨年5月以降の急激な利上げの効果が、タイムラグを置いて現れてきた格好だ。

 ABSは「前年同期比のインフレ率が2期連続で減速したことは、(オーストラリア経済が)ディスインフレーションの状態にあることを示している」と指摘した。ディスインフレとは、物価上昇率が継続して下落していく状態。インフレを脱したものの、デフレ(物価下落)には陥っていないことを意味する。

家賃上昇率は6.7%、6期連続で加速

 中央銀行の豪準備銀(RBA)がより重視する「トリム中央値」(極端な物価変動を除去した値)のCPI上昇率も5.9%と1〜3月期(6.6%)に続いて2期連続で減速した。前期比のCPI上昇率も0.8%と、22年10〜12月期の1.9%、1〜3月期の1.4%から鈍化した。

 項目別では、「保険・金融サービス」(前年同期比8.5%)、「住居費」(8.1%)、「食品・アルコールを除く飲料」(7.5%)、「娯楽・文化」(6.8%)などの上昇率が高かった。

 「新築物件購入費」の上昇率は7.8%となり、直近のピークである22年7〜9月期(20.7%)から著しく減速した。一方、賃貸物件不足を背景に「家賃」の上昇率は6.7%と、22年10〜12月期(4.0%)、1〜3月期(4.9%)から加速。6連続で前期を上回っている。





サービス物価上昇率は22年ぶり高水準

 物価上昇率をモノとサービスに分けて見ると、モノは前年同期比5.8%と22年7〜9月期のピーク(9.6%)から大幅にスローダウンしているものの、サービスは6.3%と前期の6.1%から加速し、消費税に相当する財・サービス税(GST=10%)導入の影響を受けた2001年以来、最大の上げ幅を記録した。

 ABS物価統計部門の責任者を務めるミシェル・マーカート氏は声明で「サービスの物価上昇率がモノを上回ったのは2021年7〜9月期以降で初めて。1年前には新築住宅や自動車燃料などのモノが物価を押し上げていた。今は家賃や外食費、チャイルドケア、保険など幅広い分野のサービスが物価上昇をけん引している」とコメントした。

 サービス物価を押し上げている主因は、賃金や家賃の上昇だ。需給に応じて上下する食品やエネルギーなどと異なり、賃金や家賃は一度上がるとなかなか下がりにくい「下方硬直性」が強い。インフレが全体的に収まってきているとはいえ、今後もディスインフレが継続して物価が安定するには、粘着力の強いサービス物価の動向がカギを握ることになりそうだ。

■ソース

Consumer Price Index, Australia, June Quarter 2023(Australian Bureau of Statistics)





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