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逆流するチャイナマネー 中国不動産バブル崩壊でオーストラリア市場から脱出

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一等地の大規模開発プロジェクトから撤退相次ぐ

中国資本が相次いで撤退しているシドニー(Photo: 守屋太郎)

 オーストラリアの土地や建物を買い漁っていた中国の不動産開発企業が、一転して撤退を始めている。中国の不動産バブル崩壊で資金繰りが悪化し、海外資産を処分する動きが加速しているからだ。

 公共放送ABC(電子版)によると、保利集団(ポリー)や緑地控股集団(グリーンランド)、玉湖集団(ユ―フー)、万達集団(ワンダ)、碧桂園(カントリーガーデン)といった中国の不動産開発大手は2010年代以降、オーストラリア市場に莫大な投資を行い、都市部の一等地を中心に巨大な開発プロジェクトを次々と進めてきた。

 元商業不動産ブローカーのマーク・ウィゼル氏がABCに語ったところによると「中国本土の投資家や開発企業による開発用地の買収額は、2009年から2017年の間に80億豪ドルから130億豪ドルにまで増えた」という。





 ところが、中国では2021年後半以降、不動産バブルの崩壊が加速。今年に入り、巨額の債務超過に陥った最大手の恒大集団が8月に米国で連邦破産法第15章の適用を申請し、碧桂園も経営危機に瀕するなど、中国の国内総生産(GDP)の約4分の1を占めるとされる不動産部門の失速は、同国経済全体にも深刻な影響を与えている。

 このため、オーストラリアでは、巨額のチャイナマネーが逆流を始めている。

 オペラ・ハウスやハーバー・ブリッジ、湾内の絶景を見下ろせるシドニーの一等地にある開発用地「ワン・サーキュラー・キー」。万達集団が14年に4億2,500万豪ドルで買収し、57階建ての超高級マンションを建設する計画だったが、18年に別の中国企業に売却した後、豪不動産開発大手レンドリースと三菱地所による日豪合弁の手に渡った。緑地控股集団は22年、シドニー市内アースキンビルの5万平方メートルの用地を3億1,500万豪ドルで売却。保利集団は同年、シドニーとメルボルンの3つの開発事業から手を引いた。碧桂園もシドニーとメルボルンの住宅開発用地の一部を手放した。

 中国不動産バブルの崩壊は、オーストラリアの住宅市場の需給にも影響を与えている。中国企業の撤退が、オーストラリアの住宅不足に拍車をかけているというのだ。不動産アナリストのルイス・クリストファー氏がABCに述べたところによると、新規の住宅建設戸数は全国で年間約14万まで落ち込む見通しだという。

「現在の人口増加を満たすためには、最低でも年間20万〜25万件の住宅を新たに建設する必要がある。しかし、計画中の住宅の新規供給数は、労働党政権が公約した24万件の水準を大幅に下回っている」(クリストファー氏)。

■ソース

Chinese developers exit Australian market as property crisis worsens in China(ABC News)





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