浜松町駅から羽田空港間を走行する東京モノレール。
一般的には空港を利用する時の交通手段の1つではあるが、車窓からの眺めを見たくて、よく用もないのに乗車したりする。
浜松町をスタートしてビル群、首都高速を見下ろしつつ、2番目の停車駅の天王洲アイルを抜けた辺りからパッと開けた景色に。
東京湾へと続く京浜運河をパノラマ・ビューで大きく見渡せる。
慌ただしいビジネス街からのこの静かな風景は、私が思いを寄せる「東京」が凝縮されているようで、東京の中でも一番と言っていいくらいとても好きな風景であり、癒やされるのである。
空港が近付くにつれ、物流や空港関係の敷地へと。生活感は完全に消え、無機質な風景は非日常の体験をさせてくれる。
空港からスタートするストーリーの序章のようである。
このコラムの著者
足達奈穂 Nao Ashidachi
ドイツ生まれ。幼少時代の多くを海外で過ごし、結婚後は夫の海外赴任に伴い2018年から21年初頭までシドニーに在住。14年ごろから東京のストリート・スナップを撮り始め、写真家デビュー。東京の街を舞台にした写真集『boys in tokyo sentimental』を刊行中。現在、東京メトロ×AND STORYの地下鉄車内用広告写真を手掛けている。
WEB: www.naoashidachi.com