プラスチック製の使い捨て袋やスターラー、綿棒も廃止に
NSW州政府は、2025年までに埋め立て地に運び込まれるプラスチックや食料生ゴミの量を徹底して減らす計画を法制化することを検討している。
6月13日付ABC放送(電子版)が伝えた。
この法案は2021年末までに州議会に提出される予定で、野党労働党、緑の党はもともと使い捨てプラスチック廃止を唱えてきたから法案が否決されることは考えられず、法案が立法化されれば2022年から発効することになり、その後1年でストロー、飲み物をかき混ぜるスターラー、綿棒、ポリスチレン・カップが段階的に廃止になる。また、プラスチック・カップ、厚手のプラスチック袋、果実のステッカーなどは3年以内に見直しを受けることになる。
また、食料廃棄物や生ゴミの減量に向けた緑のプラスチック箱や教育プログラムは5年戦略で3億6,500万ドルを計上して進めることになる。
マット・キーン州環境相は、「2050年までには世界の海のプラスチックの量は魚より多くなることが予想されている。全国の廃棄物量の3分の1がNSW州に集中しているから、NSW州が変わればオーストラリア全体が違ってくる。そのために、廃棄物の流れから価値を生み出すリサイクリング・システムを改善するためのインフラストラクチャ作りにも投資している。廃棄物を埋め立て地で腐らせるのではなく、ゴミを宝物にするサイクルに変えていく」と語った。この立法化で今後20年間に推定27億個のプラスチックがゴミとなって埋め立て地や海洋に捨てられることを防げる。
Clean Up Australia会長のピップ・キアナン氏が州政府の努力を称賛し、「過去何十年もボランティアが使い捨てプラスチックのゴミを回収してきた。ゴミを減らすだけでなく、ゴミを資源に変えるという努力はさらに前進だ。資源を社会の中で還流させ何度も何度も再生し、使い続けることは、父、イアン・キアナンが32年間主張し続けてきたことだ」と語っている。
一方、Australian Marine Conservation Societyのシェーン・クカウ氏は、「これまでNSWはオーストラリア国内で唯一、プラスチック袋を禁止していない州だった。NSWのプラスチック使用量を考えれば、この法制化は大きな成果になる」と語っている。
■ソース
NSW moves to cut single-use plastics by 2025