シドニー都市圏南西部、一般公開の博物館に
6月19日付ABC放送(電子版)は、ゴフ・ウィットラム元連邦首相の旧家の修復保存に連邦から130万ドルの資金が交付されることを伝えている。
過去の首相の住居の修復保存に連邦の資金が出ることは初めてではなく、これまでにも、NSW州バサーストのベン・チフリーズ、WA州コッテスローのジョン・カーティン、TAS州スタンリーとデボンポートのジョー・ライオン、エニッド・ライオンなどの旧家の修復保存に連邦資金が出ている。
2021年2月、シドニー都市圏西部キャブラマタにある住宅が売りに出た時に労働党関係者やウィットラム元首相の息子らが共同で100万ドルを出資して買い取り、1957年当時の姿に修復し、博物館として一般公開する計画を建てている。
ウィットラム一家は1957年にキャブラマタ地区アルバート・ストリート32番地の当時としてはモダンな建築の住宅に住み始めた。ウィットラム氏は連邦労働党党首として1972年の選挙で当選し、この住宅で勝利を祝っている。
ウィットラム連邦政権は理想主義的な政策を取ったが連邦財政で行き詰まったとして1975年11月11日にジョン・カー連邦総督によって罷免され、マルコム・フレーザー自由党政権に移った。
この連邦資金は、ウェスタン・シドニー大学内のウィットラム・インスチチュートに交付されるもので、同印スチチュートは、2022年、ウィットラム政権樹立50周年記念に向けてアルバート・ストリート32番地の住宅を昔の姿に修復し、一般公開の博物館として運営管理することになる。
元連邦労働党政権時代の大臣を務め、現在はウィットラム・インスチチュートの会長を務めるジョン・フォークナー氏は、「ウィットラム連邦政権時代の遺産を祝う場所としてウィットラム・ハウスは重要な役割を果たすことができる」と語っている。
ゴフとマーガレットのウィットラム夫妻、息子のニック・ウィットラム氏は1977年に同住所から出ており、住宅は何度か人手を渡り、次第に老朽化してきていた。
2019年には連邦政府がSA州ボーダータウンのボブ・ホーク元労働党連邦首相が子供時代を過ごした旧家の購入と修復に75万ドルを出資している。
■ソース
Federal government gives $1.3 million grant to restore Gough Whitlam’s historic Western Sydney home