バーナビー・ジョイス、国民党党首に返り咲き

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気候変動対策党方針再び世界に逆行か

 6月20日まで国民党内のリーダーシップ闘争が伝えられ、マイケル・マコーマック連邦党首(当時)はこれを否定していた。

 しかし、一夜明けた21日の昼には、バーナビー・ジョイス前党首が連邦党議員会議で連邦国民党党首に返り咲いたことが報道された。

 21日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 ジョイス氏は、マルコム・タンブル保守連合政権期に連邦国民党党首兼連邦副首相を務めていたが、「自分はカソリック教徒。保守的家族観を大切にする」と発言する裏で農業団体婦人部WA州会長から「セクシャル・ハラスメント」の訴えが出され、内部調査で「証拠不十分」とされたり、その後は婚姻中に自分の事務所の職員と男女関係を持ち、妊娠させたことが新聞で報道されるに至って党首と副首相を辞任する結果になった。

 6月21日、ジョイス氏は、新党首に選ばれたことで党議員に感謝の言葉を述べ、「自分が国民党を率いてこそ次期選挙で勝利に導くことができる」と語っている。

 また、温室化ガス排出量を2050年までに純ゼロにする世界的な動きについても、ジョイス党首の下での国民党の立場については21日には明らかにしていない。ただし、過去には気候変動説に懐疑的で従来の石炭産業振興の立場を取ってきている。

 保守連合連邦政権のスコット・モリソン首相は、イギリスでのG7に出席しての帰国で14日間のホテル隔離にはっているため、その間はジョイス連邦副首相が首相代理を務めることになる。

 また、「自分は過去の過ちのために3年間平議員を務めてきた。現在、生まれ変わった自分として務めていきたい」と語っている。

 ジョイス氏が自分の事務所の職員と関係を持ち、失脚したことから、当時のタンブル連邦首相は、議員が職員と男女関係に入ることを禁ずる「ボンク・バン(セックス禁止令)」規則をつくっている。

 マコーマック前党首は、「党議員会議の決定は残念なことだが、民主主義的手続きで決まったことであり、決定に従い、ジョイス氏を党首として政務に励むつもりだ」と語っている。

 今回の国民党政変劇の背景には、自由党のモリソン首相が2050年までに排出量を純ゼロにする方針を支持する方向に転じつつあり、国民党議員が排出量純ゼロ目標に反対していることがある。
■ソース
Barnaby Joyce thanks Nationals after winning back leadership from Michael McCormack, makes no commitment on climate policy

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