モリソン連邦首相、高齢者介護担当大臣擁護

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深刻なウイルス感染被害出した部門改善約束

 コロナウイルスで深刻な感染被害を出した高齢者介護施設の原因調査を進めている連邦議会調査委員会で、8月21日、証人席に座ったリチャード・コルベック高齢者介護担当大臣は、ケイティ・ギャラハー連邦上院議員に、「VIC州の高齢者介護施設で何人のコロナウイルス感染死者が出たか?」と質問されて35秒間沈黙を続けた上で遂に答えられなかった。

 同日、スコット・モリソン連邦首相は、コルベック大臣を擁護した上で高齢者介護施設への予算を増額する考えを明らかにした。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 高齢者介護施設で大量の感染者が発生した原因として、施設職員が複数の施設を掛け持ちで働かなければならない賃金水準や職員不足が挙げられてきた。スーザン・ライアン元年齢差別禁止委員会委員長は、「シドニー都市圏の高齢者施設、ニューマーチ・ハウス、ドロシー・ヘンダーソン・ロッジなどでの大量発生を前例にしてVIC州でも十分な職員を用意するなどの備えができるはずだった。また、病院も施設からの入居者の入院を受け入れるべきだった」と語っている。

 コルベック大臣の失策の後、モリソン首相は、「(高齢者施設の死者数を思い出せなかったことについては)大臣も後悔していることと思う。私はコルベック大臣を信頼している。大臣職は生易しい任務ではない。問題について考えるべきであり、個人攻撃をしている場合ではない」と語った。

 コルベック上院議員が返答にとまどって35秒過ぎたところで省職員が助けに入り、「VIC州では高齢者介護施設の入居者254人、在宅看護の4人が死亡している」と証言した。

 野党労働党のジュリー・コリンズ影の高齢者介護担当相は、コルベック大臣が今回だけでなくこれまでの高齢者介護問題でも芳しくない実績だったと批判し、モリソン連邦首相がコルベック大臣を留任させるのか罷免するのかと問い詰めている。

 モリソン首相は、「コルベック大臣は、高齢者介護部門の10億ドルを超えるコロナウイルス・パンデミック特別予算を直接管理している。高齢者施設特別調査委員会の報告に応えるため、10月にはさらに連邦予算を増やす予定だ」と発言した。
■ソース
Morrison flags more money for aged care, defends minister’s fumble

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