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見栄を張ることよりも大事なこと/セクレタリーの“ヒショヒショ話”

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第23回:ええかっこしい

 私は小さいころ、とても「ええかっこしい」の子どもであった。新しいもの好き、おしゃれも好き、人と違ったものが大好き。何をしても目立つ子であった。父から教えてもらった片言の英語や韓国語も、幼稚園の友達に披露しないと気が済まないような小娘だった。

 社会人になって、ますます身なりを気にするようになった。その年のトレンド服を着て、話題のレストランに行く。仕事も外資系会社の秘書になり、何かと華やかに見えるそのライフスタイルは、同年代の人たちからうらやましがられることが多かった。

 でもそのうち、他人の目を気にして見栄を張って、外見と建前で、周りの期待にそえるだけの人生が、この上なく空しく感じるようになった。気が付くと、心の中は空っぽだった。本音で話せる人もなく、頼れる友達もなく、空しく辛い毎日を過ごした。

 今この歳になって、「ええかっこ」などしなくても良い、「本音」の人生を送れるようになったことにとても感謝している。もう、自分をよく見せようと頑張ることもないし、よく見えなくても大丈夫だと思うようになった。

 大切なのは、本当であること、正直であること。本当にその人のために思っていることが言えて、行動にできること。自分が正しいと思うことを貫くこと。人生は見栄を張ることよりも、もっと大事なことがあるのだとよく分かった。

 「ええかっこしい」は、疲れる。「ええかっこしい」は、言ってみれば自信の無さの裏返し。我々の人生において、「ええかっこ」をし続ける限り、本当の人間関係を築くことはできないと言えよう。

 とは言っても、忘れないで。「身だしなみ」はとても大切。「ええかっこ」しなくても良いけれど、女性は何歳になっても「小綺麗」でいることに努めないとね!

ミッチェル三枝子

ミッチェル三枝子

高校時代に交換留学生として来豪。関西経済連合会、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に勤務。1992年よりシドニーに移住。KDDIオーストラリア及びJTBオーストラリアで社長秘書として15年間従事。2010年からオーストラリア連邦政府金融庁(APRA)で役員秘書として勤務し、現在に至る

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