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悪徳ファームで働かないようにするには!?/オーストラリア“ファーム・ジョブ”のリアル④

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 オーストラリアにワーホリで訪れると、1度はファームで働いてみようとする人が多いと思います。セカンドやサード・ビザの取得を目的とする人の他に、稼ぎたいという理由の人もいると思います。多くの人が心配しているのが「だまされるのではないか」ということではないでしょうか。今回は、オーストラリアに18年在住し、農業歴はワーホリ時代を含めると15年というオーストラリアの農業にどっぷり浸かった私が、悪徳ファームの見極め方をお伝えします。

悪徳ファームではなく、悪徳コントラクター

 どの国にも良い人・悪い人がいるように、悪徳ファームは存在します。私が知っているファームのオーナーに、2回刑務所に行っている人がいます。労働者を不当に扱ったからです。悪徳ファームは実在します。実際、ファームの経営者は、不正をすると重い罰が課せられます。また、ファームで直接雇われると、通常は政府指定のソフトウェアを使い、給料計算やスーパーアニュエーション、税金が計算されるため、近年では、不正が出来なくなっています。

 では、どのように不正が行われるかというと、コントラクターが不正している場合が圧倒的です。コントラクターとは、ファームの下請け会社で人材派遣会社のことを指します。ファーマーは、コントラクターに人材派遣の仕事を依頼して、ワーホリの方々を雇っていることが多いのです。このコントラクターがピンキリと言えます。悪徳ファームもいますが、悪徳コントラクターがたくさんいるということです。コントラクターが、給料をピンハネしたり、いわゆる「仕事あるある詐欺」をしたり、セカンド・ビザが取得できなかったり、アコモデーションのボンドを返してくれなかったりします。 

 既にワーホリに来ている人は、インターネットやSNSなどでファームの仕事探しをしている人が多いと思います。私は、求人を見ただけで、悪徳コントラクターか分かります。まず「名前がアジア系の名前」「片言の日本語で簡単そうに稼げる言い方」です。そういった所に問い合わせる人がたくさんいるのが現状です。日本人のワーホリ・メーカーが、求人を出している場合もあります。日本人だからといって悪徳でないとは限らないため気を付けて下さい。 

だまされないためには

 悪徳コントラクターでなく、しっかり稼げてセカンド、サード・ビザを取得でき、楽しいファーム生活を送りたいのであれば、直接ファームに雇ってもらうことです。もちろん、しっかりしたコントラクターもいますが、針の穴を見つけるような作業かもしれません。

 私は、ファームに直で問い合わせて働くことをお勧めします。大きいファームなら、ホームページから応募できることもあります。少し英語力が必要かもしれません。また、人脈を活用するのもすごく良い方法です。只今、私のファームはピッキングの真っ最中ですが、友人の紹介を機に働いてくれている人が多いです。友人の紹介など、すでに状況を知っている場合、だまされることは少ないでしょう。

 と言っても、実際に働いてみるまで分からものです。働き始めて、何か違うと思ったら、すぐに移動しましょう。私は、毎日30件くらい仕事の問い合わせを受けます。中には、「2カ月働いていて、給料がもらえていません」「1カ月働いて、ペイスリップがもらえてません」という人がいます。どうしておかしいと分かっているのに、そのファームで働いているんでしょうか?ファームの仕事はカジュアル・ジョブです。いつ辞めてもいいし、逆にいつクビになるか分からない仕事です。だまされていると思っているのに、そこで我慢する理由は1つもありません。

 ファームの仕事はとても不安定です。カジュアル・ポジションであることに加え、天気に左右されたり、オーダーが入らなければファーマーは収穫をしないし「リジェクション」と言って、スーパーから返品があったりもするので、ファーマーも毎日計画が立てられないので、フレキシブルに「作戦A、作戦Bなど、このファームがダメなら、違うファームに行こう」と思っていた方が良いと思います。

 ファームの仕事は、オーナーの私であっても、港がストライキだったり、オーダーが変更になったり、天気が悪かったりと、急遽、計画を変更しなければならないことが多く、もちろんワーホリの皆さんもその影響を受けます。いつでも、フレキシブルに、変更可能でいられるとファームの仕事も探しやすいし、良い仕事も見つけやすいと思います。

Profile

松﨑絢子

葡萄ファームズ及びBudou Exportの経営者。オーストラリアVIC州で、生食用ぶどうを生産し、日本を中心とするアジアに輸出している。日本では大手スーパーマーケットで販売中。共同通信グループNNAオーストラリア発行の農業専門誌「ウェルス」で、「南半球でブドウを作る VIC州農園ダイアリー」も連載中。一児の母。
Facebook: www.facebook.com/budoufarms/
Instagram: www.instagram.com/budoufarms/





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